【オススメ】 鷹野久/骨董猫屋


骨董猫屋 (ねこぱんちコミックス ねこの奇本)

■【オススメ】5年ほど前の作品を集めた単行本のようだが、 え、なんで今まで出なかったの?これ、と思ってしまう一冊。 喋る猫が可愛く格好いい。

骨董屋を覗いた少女はぬいぐるみかアンティークの置物か、 猫が気になって入ってみる。生きてるみたい、と思ったら、それは本物の猫だった。


猫アレルギーがあるという少女が、その骨董屋の猫には反応せずじんましんが出なかった。 ちなみにその猫は、人の言葉を解して喋る。っていうか二足歩行で自分でお茶も入れて持ってくる。あまつさえ茶を自身も飲んでいる。猫舌じゃないんかな・・・。


で、少女は猫アレルギーにまつわる過去を持っており、それはトラウマになっていたのだが、骨董屋の猫の尽力により誤解は解けてトラウマ解消、というお話。その展開なら彼女が骨董屋の常連となって物語が繋がっていく、というのが普通だと思うのだが。勿体無い。


表題作のほかも読後感の良いものばかり。表題作以外のほうがファンタジー色は濃いかな。全作品に猫が登場。猫好きでファンタジー好きなら可愛いと思うだろう作品集なのでオススメ。


【データ】
鷹野久 (たかのひさ)
骨董猫屋 (こっとうねこや)
【初出情報】ねこぱんち(2011〜2012年) 【発行元/発売元】少年画報社 (2016/12/12) 【発行日】2016(平成28)年発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
■購入:
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心に傷を抱える少女がふと立ち寄った骨董屋。中にはしゃべる猫のぼんてんと店主が…人と猫の絆をつなぐちょっと不思議な物語!


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【オススメ】 優/さよなら、またね。


さよなら、またね。 (IDコミックス)

■【オススメ】 絶品。お値段の価値はある、優しい作品集。

フルカラーの短編作品集。表紙は まるで幽霊がやってきたように見るが、 冒頭の作品はまさにその通り。 ただし、その姿はヒロインが昔、クラスメイトの 似顔絵として描いたものだった。


甘酸っぱい作品を、ちょっと昔な雰囲気もある 可愛らしい絵柄と水彩画風な色合いで描く、 絵本のような一品。


前半はファンタジー風味だが後半は飛躍した設定なし。 ただし全編通して切ない話。とはいえ死を扱い泣きを誘う ようなものは一つ程度。ちょっとした寂しさはあるが、 表題作どおり「さよなら」しつつも「またね」と言うような類の、 甘い思い出の残るサヨナラが基本。さよならどころか出会いの話 も一話入り込んでいて、でもそれが作品集にバリエーションをもたせ バランスのとれた一冊に仕上がっている。


おまけ漫画も素晴らしい。可愛らしい一冊で、 紙で1296円、キンドルで972円しますが、 乙女チックなものが好きな人にはオススメ。


【データ】
優 (ゆう)
さよなら、またね。
【発行元/発売元】一迅社 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
■購入:
amazon→さよなら、またね。 (IDコミックス)
絵は、今も描いていますか? 私が寄せ書きに似顔絵を描いた篠原くん。 難しい病気にかかってしまった君に、私はテキトーな絵を描きました。 ひょろりと背が高くて、猫背で、めったに学校に来ないから、 「透明人間」って言われてた君が、化けて出てくるなんてね。 切なくてほろ苦い思い出をつづった表題作『さよなら、またね。』の他、 大好きな先生の為にウエディングドレスを試着する『なつのいと』。 中学の時、つけられたアザがいつまでも消えない『きずあと』など、 美しいイラストで紡がれた、切なくて懐かしいフルカラー作品集です。


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【オススメ】 穂積/僕のジョバンニ


僕のジョバンニ 1 (フラワーコミックスアルファ)

■【オススメ】言葉が、声が、呪縛を呼ぶ。深く分かり合えるものを欲し、 しかしそれが痛みとなる二人の話。

海に近い田舎町。地主だった祖父が入れこんで色々と 買い込んだこともありチェロに打ち込む少年。東京の大会 で受賞するも同学年ではチェロがヴァイオリンと区別のつかない者 ばかり。浪人生である兄もチェロをかつて演奏していたが、 ある時期に辞めてしまった。


そんなときにおきた海難事故。唯一助かったのは主人公と同世代の男子。 ハーフである彼を一時引き取ったのは主人公の家。彼はチェロの音を聴き、 その声が自分を海から呼んだのだ、と言う。


主人公は、チェロを理解してくれる人を求めた。事故にあった少年は、 そんな主人公に、「お前に俺の人生をやるよ/俺は生涯お前の友でいよう」と誓う。

俺だけはお前を裏切らない/この先何があってもお前を孤独にはしない
格好いい!というセリフではある。しかし共依存ではあるのかもしれない。


そして話はどうやら、もっと皮肉で凶暴だ。一家に迎え入れられた少年は、 主人公の教えでチェロを上達していく。そんな彼らの技術を客観視する 人物も登場し、ある意味絶望的なエピソードでもって一巻が締まる。


これは何を描きたい作品なのか、という点では疑問符が浮かぶのだが、 一巻の巻末に向けてのまくり方はゾクっとくるものがあった。 上手い。というか、よく練られている。このような良質の作品を読むことが 出来るのは喜びである。というかこれは 天才と凡才の物語だとすると「 さよならソルシエ 」の同工異曲なのだろうか。


【データ】
穂積 (ほずみ)
僕のジョバンニ
【初出情報】flowers(2016年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】flowersフラワーコミックスα 【発行日】2016(平成28)年12月14日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ 僕のジョバンニ 1 (フラワーコミックスアルファ)
チェロの音が紡ぐ、天才と凡才の物語
海難事故に遭い、暗い海原を漂い、死の淵にあった郁未。彼を岸まで導いたのは、鉄雄が弾くチェロの”音色”だった--。
鉄雄の家で暮らすようになった郁未に、鉄雄がチェロを教え始めたことで、少年たちの未来が大きく動き始めたーー!!


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【オススメ】 草川為/今日の恋のダイヤ


今日の恋のダイヤ (花とゆめCOMICS)

■【オススメ】人物が軽く繋がる、 恋をめぐる連作短編。著者だけに達者で、 いい読み心地。

新作「今日の婚のダイヤ (花とゆめCOMICS) 」が発売されたので旧作ですがご紹介。白泉社はもっとも好きといってよい マンガ出版社なのだけれど、電子書籍版はだいぶ遅れてのリリースになるので、 もう紙の本は持ち歩けないしモノを増やしたくもないので買いたくない 者としては少々残念というかこのブログの運営上だいぶ残念な事態となっております。 ま、こちらの事情ですが、でも、電子版は基本的に売り切れ在庫なしって ことにはならないので、買うにも紹介するにも安心なんですがね。


さて、今回紹介するのは「今日の恋のダイヤ (花とゆめCOMICS) 」、紙書籍は2014年6月の刊行である。好きな著者の作品だが紹介漏れが起こっているのは先に述べたように電子版が紙よりだいぶ遅れて出るので電子書籍ベースに軸足を移した本サイトでは買うタイミングも紹介するタイミングも逃しがちなため。ところで新作のダイヤはダイヤモンドのようだけれど、こちらの作品のダイヤは公式サイトの紹介で「今日の恋のダイヤは全便、乱れながらも運行中。」とあり飛行機絡めた話ばかり、短編タイトルも001便とあるように、ダイヤグラムの意味である。


短編4編とショートショート1編収録、あとがきにあるように著者にとって「初めて現代日本を舞台に全く不思議な要素の出ない話」、ただ著者なので作品の仕上がりにソツはない。しっかり中身の詰まった話を軽快に描く持ち味は本作でも。題名どおり、恋バナ4つ。4人の女性を主人公に綴るオムニバス。しっかりした女性だが片思いの話。そのしっかりした鎧を脱ぐ話である点は共通。次は遠距離恋愛の女性の話、こちらは互いを思うがゆえにこじれるという面倒臭さ。鎧という点は同じかな、と思いつつ読んだ最後の話は、随分と方向を変えていて、あれ、これは恋の話ではあるようでないような。自己嫌悪に陥るところを、背伸びしなくていいじゃない、という点は実はその前の話とおんなじ。テーマをツイストしつつ少し見方を変えて繋いだ話は、見知らぬ同士を主人公にしながら僅かに繋がり、その知らない相手に勇気やきっかけをもらう内容となっている。


結果、読者も少なからず元気をもらう。せつない短編集はよくあるが、チアアップするものは少数派である。おなじ泣かせる物語なら、悲しかったりせつなかったりするよりも、笑えて泣けるという話のほうが物語として何段も上等である。その少数派の佳作が本作であり、高く評価したい、というか賞賛したい。


【データ】
草川為 (くさかわなり)
今日の恋のダイヤ
【発行元/発売元】白泉社 【レーベル】花とゆめCOMICS 【発行日】2015年5月1日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
■購入:
amazon→ 今日の恋のダイヤ (花とゆめCOMICS)

誰かの勇気が私に、私の勇気が誰かに繋がっている。 片思いの会社の先輩が姉と付き合い始め、諦めようとしてきた楡原。 だが2人の結婚が決まり、式に出るため気持ちを殺し空港へ向かうが…。 意中の彼と恋のライバルの3人で出張中の鈴懸。 遠距離恋愛中の栃木。 卒業旅行中の菩提。 見知らぬ4人が空港を行き交う一瞬に影響を与え合い、前に進んでゆく連作オムニバス!! 001便:楡原の場合 苦い恋 002便:鈴懸の場合 恋の三角関係 003便:栃木の場合 遠距離恋愛 004便:菩提の場合 卒業旅行 今日の恋のダイヤは全便、乱れながらも運行中。 2014年6月刊。


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【オススメ】 こがたくう/宇宙のプロフィル


宇宙のプロフィル (ヤンマガKCスペシャル)

■【オススメ】 最近あまりないSF風味のファンタジー短編集。

短編5編を収録した作品集。すべてがスペースファンタジー的。 最近では珍しいテイストのもので、読んでいて嬉しくなってくる。 とはいえハッピーな話ばかりではない。


「エルキドの巨木」は好奇心のある主人公が、誰も見ていないところを目指す話。 なおこの作品の人間は、ふつうの人間ではない特徴ももっている。 それがきちんと活かされる展開であるのは素晴らしい。


「京子の夢」夢のなかで宇宙人と意識がシンクロする、という話。 その宇宙人は居住できる惑星を求めてさまよっている。 でその結末は、というところだが、なるほど、そこに着地ね、と感心。


「ハッピーエンド」は「11人いる!」のような話。宇宙船のクルーの話だが二転三転。転がし方は見事だが、そこで止めないで欲しかった。


「小さな彗星」老博士が宇宙クルーズ船で外を眺めている。 その理由は、というところだが、時間軸を分断して話をつなぎ合わせる 手法をとっているので、最後に、ああそういう話なのかと気づく。 上手な語り口である。


「地球最期の日」誰かを待つためにデータ化、ロボット化した人の話。 そこに別の人物を投入して描くところがこの手の話としてはユニーク。

ということで全編、作り込んだお話で、才能とセンスを感じる。 ハードとソフト、双方に設定が必要な分、この手の作品は手間暇がかかる。 その労力に見合うだけのリターンを得て欲しいな、と思う才能である。


【データ】
こがたくう
宇宙のプロフィル
【発行元/発売元】講談社 【発行日】2016(平成28)年7月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
■購入:
amazon→宇宙のプロフィル (ヤンマガKCスペシャル)

島本京子、16歳。彼女は10年間「奇妙な夢」を見続けていた。それは、新天地を求め宇宙を彷徨う、巨大宇宙船の乗組員として生きる夢。現実と夢、交わらぬはずの2つの人生が交錯する時、思いもよらぬ奇跡が起こる--『京子の夢』他、若き天才が稀有な想像力で紡ぐ、最高傑作5編を収録。


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【オススメ】 たな/ごはんのおとも


ごはんのおとも

■【オススメ】これは絶賛なのがわかる。 電子版で買ったが紙書籍で買いたい一冊。

レビューは絶賛、2巻も今月発売(ごはんのおとも 2 )ということだが電子版が廉価であったので購入。読んでみると、なるほど、人気も納得の内容だった。


物語としては、たいした話はない。ごはんをめぐる、ほっこりする話。それが連作短編として、登場人物が連関して綴られる。


絵はオノナツメ的、雰囲気は羽海野チカ的。amazonの否定的なレビューでもあったが、それは確かに思うところ。しかし、だからといってそれは二番煎じだからだめだ、というのは短絡的だろう。魅力なのは、人情味。その暖かさは、フルカラーで描かれる色合いのよさ、コマ割しながらもそのコマを自在に跨ぐ絵と吹き出しのレイアウト。絵本のような 構成が見事である。


レシピはレシピというほどのものではなく寧ろ「深夜食堂」のほうが参考になるのではないかという程度の、本当にごはんのおとも程度のレベル。だから、実用性を期待したらがっかりするだろう。本作の魅力はそこにはない。


人情もののマンガとして、物語自体は特筆すべきものはない。もたいまさこさんが帯の推奨人に使われているように、雰囲気ものと思って読むのが良い。ただ、それを本の形としてここまで作り上げた作品はそうはない。本作の賞賛すべき点は、著者と編集者出版社とのコラボレーションにあるのだろう。


電子版で読んだがこれはお値段は高くなるものの紙書籍をおすすめする。というわけで私も紙書籍を買い直しました。


【データ】
たな
ごはんのおとも
【発行元/発売元】実業之日本社 【レーベル】実業之日本社 【発行日】2015年3月20日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→ごはんのおとも

これさえあれば、何杯だって食べられる。 わが友、ごはんの友。
●たまごの黄身のしょうゆづけ×独身男子 ●しそみその焼きおむすび×女子大生 ●なすの浅漬け×おばあちゃん ●セロリのじゃこ炒め×おじいちゃん ●とりそぼろ×料理人……
路地裏の料理店「ひとくちや」にあつまる人たちを、 心まであたためる8つのレシピ。
もたいまさこさんも微笑! しあわせの笑みがこぼれる物語と美味しいレシピの あったかフルカラーコミック。



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【オススメ】 犬上すくね/蛇沢課長のM嬢


蛇沢課長のM嬢 1 (サンデーGXコミックス)

■【オススメ】有能な営業マンが実はマゾ、それで ご主人様としてロックオンされてしまったヒロインのお話。

就業時間間近の受付にやってくるのはやり手である蛇沢課長。 彼はバラの花束を持って受付嬢に向かい「今、このバラの花束で、 私の顔を二度ほどぶってくれないか。」と言うのだった。


というのが読み切り版の冒頭。ちなみに連載版は舞台となる会社は変わらないが ヒロインが受付嬢から同じ部署の部下に変わっている。受付嬢だと やりとりの場が固定化されて展開の幅が極端に狭められるから、だろうか。


話の肝は、丸顔童顔のヒロインがなぜか女王様としてロックオンされてしまい、 普通の恋愛がしたいのにと当惑するところにある。で、本人は両親のような朗らかな夫婦が理想と思っているのだが、しかし実際は親も・・・というオチも早々に示されており、 つまりは彼女は課長が言うとおり、自分の秘めたる類まれなる才能に気づいていないだけ、ということなのだろう。とはいえ本人も課長の反応をみてゾクゾクし始め、 自身の気質に気づきつつある、ような、ないような。


課長がマゾっ気を満たすたびに営業成績が伸びる、という設定は、 そのために周囲が皆ヒロインに女王様としての役割を期待する方向に働いており、 こんな綺麗にはまるSF設定がありうるんだ、と感心する。 成績を残すことしか考えていなかった課長が、自身のMっ気を自覚したことで 人間らしくなったというのも面白い。


しかし、一番面白かったのは、あとがきの話。猫雑誌から本作の出張版を描いてほしい、って依頼があったという。・・・なんですかソレ・・・で巻末にしっかり収録。巻頭には読み切りプロトタイプ版、巻末にはあとがき記載の他雑誌スピンオフ版と掲載された単行本の構成は見事。満足感の高い一冊。満足っていうか満腹ですかね・・・。


【データ】
犬上すくね (いぬがみすくね)
蛇沢課長のM嬢
【初出情報】月刊サンデーGX 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】サンデーGXコミックス 【発行日】2016(平成28)年9月21日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→蛇沢課長のM嬢 1 (サンデーGXコミックス)
このバラの花束で私を殴ってくれないか?
ごく普通のOL・美々子の上司である蛇沢課長は超エリート人間だが、ドM。 そんな蛇沢になぜかご主人様認定されてしまった美々子の、汗と涙と蔑みの視線に満ちた社会人ライフをご覧あれ。
犬上すくねの最高傑作との呼び声も高いSMラブコメ、開幕です!!


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