喜多正直/アーユーアヒーロー


アーユーアヒーロー 1 (BUNCH COMICS)

■正義とはなにか、ヒーローとは何者かを問うヒーローもの。

地球で暴れる敵ダークオーガという組織がおり、それを幻獣戦隊レジェンジャーという ヒーローたちが対抗している世界。主人公はレジェンジャーにいながら変身できないブラッククイッカー。スピードはあるが血族ではないのでレジェンジャーにはなれず戦闘向きではない。なので市民の避難が彼の役目。だが彼は彼なりに戦い正義を貫こうとしていた。


能力者ではない主人公の話。敵が失敗したものの粛清を行う内輪もめをしていた際に敵も味方も関係ないと正義心から保護すると、戦隊からはパージされてしまう。何と戦うのか、何を守るのか、が主人公ははっきりしていないというか覚悟がない面があるのが問題、と思えば主人公が甘いだけにも見える。一方で戦隊サイドの内部も色々変化があり、攻撃能力を高めて戦っていく方向にシフト、それはしかし地球を征服したいだけの相手の目論見を考えると正解かどうかは微妙との見方もあり。


組織からパージされたものが集まって独自の軸、第三の極を作れるのか、という話。そんなものが本当に必要なのか、も疑問ではあるが。なかなか難しいところに足を踏み入れた物語で、真摯ではあるが、出口のなさそうな話に見える。


【データ】
喜多正直
アーユーアヒーロー
【発行元/発売元】 新潮社 (2020/2/7) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ アーユーアヒーロー 1 (BUNCH COMICS)
地球侵略を画策する、ダークオーガ。地球防衛を担う、幻獣戦隊・レジェンジャー。相容れない正義がぶつかり合い、もう一つの正義が顔を出す。善悪が曖昧な世界に、境界線を引くのは――。


■当サイトの月間オススメはこちらから

ドリヤス工場/異世界もう帰りたい


異世界もう帰りたい 1(ヒーローズコミックス)

■異世界転生もののパロディ。

仕事をしていたサラリーマン、今日が給料日ということでいろいろ考えていたのだが、そのとき彼は別の空間に呼び出されてしまう。どうやら異世界に召喚されたらしい。この世界では聖訪者なるものを異世界から召喚し覇権を争うようになっているのだと。それで呼び出された彼だったが、実際は星ひとつのハズレガチャ扱い。なので殆ど顧みられず、そして元の世界に戻る方法も誰も知らないのだった。


異世界転生というか召喚もののパロディ的作品。期待されず活躍の場も術もない、という設定なのは皮肉。しかもそうした平凡な日本人が数多く召喚されているという。別のレベルの高い者が召喚されたことで彼の居場所はますますなくなり、体よく追い出されることになる。


冒険ものとしての展開はあるが、よそものがトリックスターとなりスケープゴートにもなる設定はリアリティがある。まぁ読んでいて爽快痛快な気分にはならないが…。


【データ】
ドリヤス工場
異世界もう帰りたい
【発行元/発売元】 ヒーローズ (2020/2/5) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 異世界もう帰りたい 1(ヒーローズコミックス)
普通に働き、普通にご飯を食べ、普通に寝る。そんな平凡なハッピーで物足りた日常を過ごすサラリーマン・下山口一郎。 ある日突然、英雄として異世界に召喚されたけど、評価は★1つのハズレガチャ扱い……。 「嗚呼、もう帰りたい……」下山口の明日はどっちだ──!? 奇才・ドリヤス工場が描く、“異世界しょんぼり転生”開幕!


■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】 ドリヤス工場/あやかし古書庫と少女の魅宝

■当サイトの月間オススメはこちらから

伊瀬まるの/いいんちょと不良くん


いいんちょと不良くん1

■かわいらしい話なのは確か。

高校一年生が主人公。メガネをかけた女子は委員長。そんな彼女が不良の同級生男子に絡まれる。というか授業でわからないところを聞かれているのだが、彼女は本気で困っていた。なぜなら、彼女は見た目だけで、実際は勉強が全くできないからだった。


ということも知っていて絡んでいたのが不良っぽい男子、実は頭が良くて、目的は委員長の困り顔が見たかったから。あの見た目でバカなところも超かわいい、ということで彼は彼女にちょっかいを出し続ける。接点が多いことで彼女も彼に慣れ、お互いに意識をしはじめ…というラブコメディ。まぁ、かわいい話である。高校生にしては子供すぎる感じもするがそれもそれで可愛らしい。


とはいえこのままだとただのバカラブコメにしかならないところで、 巻末では新たなキャラクターを投入。まぁそうでもしないと転がりようも ないからね…。


【データ】
伊瀬まるの
いいんちょと不良くん
【発行元/発売元】 KADOKAWA (2020/1/22) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ いいんちょと不良くん1
本当はおバカなのに、委員長になってしまった桜。 見た目が不良で怖がられているけれど、実は優等生な樹。
クラスメイトたちの期待を裏切らないために、必死に努力する桜だったけれど、 最近“不良”と呼ばれている篠倉くんが、やたら話しかけてきて……?
Twitter&pixivで話題の、超不器用な二人のじれったい純愛ラブストーリー。 単行本だけの描き下ろしマンガ2編を収録☆


■当サイトの月間オススメはこちらから

坂田靖子/ツビッキーコレクション


ツビッキーコレクション(1) (ジュールコミックス)

■父の遺言で世の中の変なものを買い集めて博物館を作ることになった青年の話。

古城に住む青年の父が交通事故に遭う。死の間際、父が言い遺したのは、観光客はバケモノと恐いものと湿気臭い古城が大好きだと。古城にへんなものとキモチ悪いものとウサン臭いものを収集して博物館にしようと思っていたが、その権利をおまえに譲る、軍資金があるのでそれを使って展示品を買い集めろ、と。


バイトに明け暮れる青年は父の遺したカネを使おうとするが居残った使用人に反対され、渋々遺言に従うことに。ということで、変なものをどんどん仕入れていくというコメディが展開されていく。


一方、双子の弟という人物が現れて一緒に住むことにも。主人公はあまり動きがよいほうではないので、小回りできて色々誘導していく彼が展開をサポートしていく。


とはいえいまは古城らしさはほぼ関係なく、ものを集めているだけの段階ではあり。強盗やら幽霊やらを交えてエピソードを転がしているが、どちらかといえば本筋のほうを動かしてほしいところ。


【データ】
坂田靖子
ツビッキーコレクション
【発行元/発売元】 双葉社 (2020/1/17) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ ツビッキーコレクション(1) (ジュールコミックス)
父が亡くなった。遺された大金さえ、長男フリッツには自由に使う事が許されず、“ヘンで、キモチ悪くて、ウサン臭いものを収集して、住まいの古城を博物館にする権利を譲る”と言う一方的な遺言に従うしかない…。かくして、おかしな物を持ち込む客との間で巻き起こる、へんてこな出来事に翻弄される受難の日々が始まった!! 坂田ワールド全開の痛快コメディ・ファンタジー!!


■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】 坂田靖子/ベル デアボリカ

■当サイトの月間オススメはこちらから

うまぞの文/三島と東條


三島と東條 1 (花とゆめコミックス)

■男子校の先輩後輩、BLっぽい話をそんな方向にはもっていかずに綴る一作。

工業高校の先輩後輩。ひとつ下の一年に懐かれた二年生の先輩は、居酒屋で週5で働く後輩の店へ行きおでんを食すのだった。


出来が悪い、というのを自覚していて、しかも出来がよく自分をかわいがってもくれた兄が事故で亡くなる経験をしたのが先輩たる主人公。彼は兄のかわりになりたいがなれない、なれるわけもないと悶々としている。一方の後輩くんは、そんな先輩をフラットな人物として尊敬していて、先輩が言う兄のような存在にもうなれているのではと指摘する。ちなみに後輩くんはネグレクト的な過去があるような雰囲気。


この二人が馬が合うという。信用しあう仲というか。男同士の友情の話。 BLっぽい設定だがそこには行かず。クマキャラの先生も出てくるがこれを 混ぜ合わせることもしない。うまいずらしかた、というかこういう作品が 商業誌における本来の姿なんだとは思うが。それを二次創作でBLに仕立てるのが 普通だったわけで…。


【データ】
うまぞの文
三島と東條
【発行元/発売元】 白泉社 (2020/1/20) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ 三島と東條 1 (花とゆめコミックス)
ケンカっ早い三島と、無口な東條。先輩後輩だけどいつも一緒の二人。自分を「ダメな方」と思ってしまう三島だけど、東條にはそう映っていないようで…?不器用男子高生二人の、少しずつ変化する日々!


■当サイトの月間オススメはこちらから

高松美咲/スキップとローファー


スキップとローファー(1) (アフタヌーンKC)

■田舎での優等生が都会の高校で学園生活を送る話。 主人公をからかう感じの展開でないのは読んでいて心地よい。

田舎から都会の進学校へすすんだ主人公。彼女には明確な 人生設計があった。一流大学の法学部を主席で卒業し総務省に入省、 過疎対策に貢献したのち地元の市長を勤める…というもの。 優秀だが朴訥な彼女は、この手の話にありがちな、 通学電車の乗り間違えをやらかし、入学式に間に合うかどうかの瀬戸際に。 そこへ、同じ学校の制服をきた男子に声をかけられ、なんとか式直前に滑り込む。 そんな彼女は新入生代表で挨拶をするのだった。


出来る子と出来ない子というのが入れ違いでやってくるヒロインのキャラクター。 勉強はできるがそれ以外はズレてる、という定番ではある。 素朴な彼女は、式直後やら学級での挨拶やらでやらかしもあり、 浮いてしまう反面校内で有名人に。そんな彼女だが、件のイケメン男子が 面白がって友達になったことで、クラスの輪の中にしっかり入り込む。 他にも裏表のない彼女は他のクラスメイトが躊躇するような子たちと 友達になり、楽しげな雰囲気に。


田舎の学校の和気藹々な雰囲気を、そのまま都会の進学校に持ち込んだような 話として展開していくのは読んでいて心地よい。


【データ】
高松美咲
スキップとローファー
【発行元/発売元】 講談社 (2019/1/23) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ スキップとローファー(1) (アフタヌーンKC)
岩倉美津未、今日から東京の高校生! 入学を機に地方から上京した彼女は、勉強こそできるものの、過疎地育ちゆえに同世代コミュ経験がとぼしい。そのうえちょっと天然で、慣れない都会の高校はなかなかムズカシイ! だけど、そんな「みつみちゃん」のまっすぐでまっしろな存在感が、本人も気づかないうちにクラスメイトたちをハッピーにしていくのです!


■当サイトの月間オススメはこちらから

雁須磨子/あした死ぬには、


あした死ぬには、 1

■42歳という年齢にフォーカスした話。

映画の宣伝会社で働く42歳独身女性が主人公。 更年期のようなそうでないような、 そんな彼女の状況を描く作品。


ざらっとスライス・オブ・ライフ的な内容の作品。 日常観察的な描写なので、仕事っぷりも職業もののように は描かれず流れでさらっと見せられるだけ。 登場人物が何者か判然とつかないうちに その心の揺れ動きが提示されるので、 個人的にはちょっと読みづらいというか、 作品に入り込みづらく、これは自分の読むべきものではないのだな、 と距離を感じてしまった。


別れた彼から電話がかかり続け、無視していると今度はメールが届き、 それを開けられないが捨てられもしないし送ってくるなとも言えない、 というエピソードや、仕事上の知り合いが余命宣言されているという話など、 話の構成上割り振られているかのような設定も少々のみこみづらく。 昔の同級生が手紙を送ってきて、返信したことで久しぶりに会うことになったら 意外と楽しかった、というところで第二の主人公というべきこの友人が 最後に爆弾落として帰るところで巻またぎ。この終盤は、さすがに巧い。


まぁある種同世代に向けた作品…じゃないのか、著者本人は主人公より も少し上なのか。なので俯瞰して描く感じなのかな。確かに、当事者として ではなく、経験者としての余裕的な描写には見える。


【データ】
雁須磨子
あした死ぬには、
【発行元/発売元】 太田出版 (2019/6/13) ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→ あした死ぬには、 1
ものすごく共感できる、 老若男女におすすめの傑作です! 四十代女性が直面する 体調の変化や人間関係のあれこれに、 笑ったり涙したりしつつ うなずきすぎて、 私は首が太くなりました……! ――三浦しをん、絶賛!!
歳をとるのは怖いですか? 〜切実に生きる女子たちの心に寄り添い、そっと背中を押してくれる本。〜 20代ほどがむしゃらじゃない。 30代ほどノリノリじゃない。 40代で直面する、心と身体の変わり目。立ちはだかる40代の壁。 突然の病気、更年期障害、取れない疲労、働き方の変化、お金の不安、これからの人生プラン…… 私のあしたはどうなるの!?
本奈多子(ほんな・さわこ)、42歳、独身。 映画宣伝会社に勤め、ハードワークをこなす日々。 ある夜突然、心臓の動悸が止まらず、体が冷たくなって……。 もしかして私、更年期障害かもしれない!?
苛々したり、涙腺がゆるんだり、おばさんと言われて悲しくなったり。 心身の変化に戸惑いながら、迷いながら、 私たちは、あしたを生きる。


■当サイトの著者他作品レビュー
雁須磨子/こくごの時間
【オススメ】 雁須磨子/かわいいかくれんぼ
雁須磨子/つなぐと星座になるように
【オススメ】 雁須磨子/幾百星霜
雁須磨子/かよちゃんの荷物

■当サイトの月間オススメはこちらから

<< | 2/650PAGES | >>

search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM