福家堂本舗 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
■【オススメ】商家舞台の三姉妹物語。 古くさくオーソドックスな少女漫画だが 京都の老舗という設定なのでうまくはまっている。
1995年から『ぶ〜け』に連載され、2000年の雑誌休刊にあわせて
完結となった作品。全11巻だが電子版は文庫にまとめられた7巻
にて刊行されている。その旧作が
2016年にAmazonプライムビデオで早見あかり主演で
ドラマ化された。→「福家堂本舗-KYOTO LOVE STORY-」予告 第1弾
そして続編も開始。→
月刊YOU|福家堂本舗 弐
ということでいずれ単行本を紹介するときのために本作もご紹介。
福家堂という京都で長く続く老舗の和菓子屋を舞台にしたお話。 語りては末っ子の三女の設定ではあるが、視点は特に固定されていない。 話は、この老舗の店をどう存続させるかを中軸に、三人の恋愛模様が描かれる。
少女漫画としてオーソドックスというか、ホームドラマという点で古き昭和の時代
の作品に近い。塩森恵子氏の「
希林館通り (マーガレットコミックスDIGITAL)
」あたりが似ている。全くもって新しい題材ではない。しかし、継ぐべき家の
ある人にとっては古いも新しいもない、身近でシリアスな問題である。
だから、そんな題材古臭いね、という印象自体がナンセンスなのだろう。
絵に関しては最新の遊知やよみ氏作品を読んでいる者には
少々安定していないなとも思うだろうがそれはそれ。
恋愛ものなのだが作品開始当初には三姉妹いずれも恋がまだ始まっていない。 その何もない状態から始まるので読者としてはとっつきやすい。 老舗和菓子店を舞台にしたホームドラマもの なので登場人物が比較的多めになるので、人物の交通整理が 肝要となるが、その点はバッチリ。三姉妹の父は既に亡くなっており、 母が切り盛りしている。職人も少人数で主要人物しか登場しない。 出て来る回数の多い人物は物語の主軸にきちんと絡む。
・・・というよりも当初は三話連作の読み切りで、三姉妹それぞれの 恋模様について描いて終わり、ということだったらしく、それを長期連載に 引き伸ばしたものなので、全話読んでも結局のところ冒頭三話 の話に舞い戻る。逆にいえば軸がぶれない作品でもあった。 ちなみに続編は創業480年で当代で18代目となっており、 作品開始時から30年後、三姉妹の子供の世代の話になる様子。
【データ】
遊知やよみ
福家堂本舗
【初出情報】ぶ〜け(1995年〜) 【発行元/発売元】集英社 【レーベル】マーガレット コミックス 【発行日】2008,2012年発行(オリジナル1995年11月・1996年6月) ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→福家堂本舗 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
【ページ数が多いビッグボリューム版!】福家堂は京都にある老舗の和菓子屋。しっかりものの長女・雛、おてんばの次女・あられ、天然の三女・ハナが暮らす。そんなある日、銀行に勤めている桧山家の御曹司・薫が、突然雛に結婚を申し込み…。
■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】 遊知やよみ/これは恋です
遊知やよみ/素敵ギルド
■当サイトの月間オススメはこちらから
- 2017.01.03 Tuesday
- 一巻読破クラシックス
- 23:40
- by happysad