ガクキリオ、山口アキ/堕イドル


堕イドル(1) (週刊少年マガジンコミックス)

■アイドル*不条理ゲームもの。 エピソード自体は面白いが、全体の物語としては 魅力も勢いも感じられない。

絵が可愛くすっきりとした描写なので読みやすいのだが、 タイトルや設定からして意味不明。


ヒロインはアイドルユニットとのリーダー。 全国ネットの番組に初出演できて新曲を披露する 機会を持てたものの、ステージ部分は全カットに。 そんな不幸な目にあった彼女は公園で男性に出会う。 彼は、自分と言葉を交わした人間は多くがその後不幸な目に 遭うのだという。


彼女の場合は彼に出会ってから新しい仕事が舞い込む。 しかしそれも幸運ではなく寧ろ不幸なこと。 アイドルたちを集めた船に、公園で出会った男性と同室に されて、勝ち抜きバトルをさせられるのだった。


アイドルを船に集める、そしてそこで何かを競わせる、 という今や食傷気味な不条理ゲームもの。 しかもルールがそもそもわからない。何を競うのかもわからない、 というのは新手である。いや、まったく褒められた設定ではないのだが。


ルールを見抜くしそもそも主催者側と知り合いでもあるらしい 同室の男性の気持ち悪さ、というものを作品では煽るのだが、 ヒロイン自身はそういうことをほぼ一切考えていない。 このヒロインの造形は面白くて、 頭でいろいろと考え試行錯誤し、 解決策を探していく。 それを男性も認め支援していく、 ゲームクリアに向けたバディものとしてのエピソードは よく出来ている。


ただ、それが何のためか、という部分の 説明が抜けている。 これでは読み手は盛り上がらない。 そもそもの「人を”幸福”にする/そのためには 自らは”不幸”に身を置かねばならない場合もある」という フリ自体が、ちょっとツマラナイ話である。


【データ】
原作=ガクキリオ、漫画=山口アキ
堕イドル (ダイドル)
【発行元/発売元】講談社 【発行日】2016(平成28)年12月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★
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堕ちたアイドルとして集められた、50人の“堕イドル”。生死を懸けたゲーム「堕イドル・オーディション」に強制参加させられる。合否を分ける、その評価基準とは? そもそも堕イドルの定義とは? 疑問だらけの極限状態の中、彼女達の過酷で欺瞞に満ちた戦いが始まる。


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