【オススメ】 藤田麻貴/コハルノオト


コハルノオト 1 (プリンセス・コミックス)

■【オススメ】超能力者の悲哀を能力者ではないが非凡ではない者 を通して描く作品、が普通に少女漫画となっているのが面白い。

アルバイト募集の知らせを見て応募したヒロインは、 非常な働き者。働くこと動くことがそもそも大好き、なのだが 前職ではそれゆえに同僚に疎んじられてしまった。 今回は一人での仕事、雇い主には全面的に任せられて、 やりがいもある、のだけれど実は隠していることがあった。 それは、彼女がトラブルメーカーであり、厄災をどうも引き寄せてしまう 体質だということだった。


頑張り屋で、かつ人は報われると信じたいヒロイン。一方の雇い主である 主人公の男性は、香りフェチだか匂いフェチだかに見えるが、 人の感情が匂いでわかってしまう、という能力を持っていた。


ということで、これは、超能力を持つ者とそれ故の悲哀、 諦念をもって生きる男性と、不運を引き寄せる体質の女性とが 出会ったバディものである。


正直な話、主人公である男性の仕事はよくわからない。 いや、これ、儲かっているの?どう生計たてているの? それと、持ち込まれる相談の案件が、今ひとつ小さい。 エピソードの核になるべきだと思うのだが、 そこまでなりきれるほどの事件となっていない。 そもそも主人公が、自分の気持ちを割りと素直に表現してしまうので、 つまり、事件に遭遇すると不愉快な表情を隠さない。 ・・・ますます、これでどう仕事になるのか、訝しんでしまうわけだが・・・。


という点がありつつも、秋田書店の少女漫画は白泉社同様、 当ブログの好物であり、本作もその例に漏れず。 フラットな性格の主役ふたりが軸はぶれないもののお互いが 微妙に影響しあって変わるような雰囲気を見せる。 二人だけの話にせず、緩衝材となる主人公の友人を 噛み合わせて展開しているところが上手い。 エピソードを転がすための事件が添え物にすぎない分、 物語は主人公たちに寄り添って動き、それは読者にしてみれば 物語世界により没入できる展開であるともいえる。


主役は良い性格の人を揃えており、好感が持てる。 一方でそれは端役が嫌な性格の人物になりがちということでもあるのだが。 閉ざされた楽園の話のように見えるが、設定からすれば 閉じた世界に住む主人公をヒロインが鍵をこじ開け広い世界に導く、 という話であるはずなので、今後どう転がし、どう締めるのかを楽しみに読みたい。 8月に2巻刊行済。→コハルノオト(2)(プリンセス・コミックス)


【データ】
藤田麻貴 (ふじたまき)
コハルノオト
【初出情報】プリンセス(2015年〜2016年) 【発行元/発売元】秋田書店 【レーベル】PRINCESS COMICS 【発行日】2016(平成28)年3月25日初版発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→コハルノオト 1 (プリンセス・コミックス)
なぜかトラブルに襲われ、職を転々とするハメになってしまう小春。そんな小春が新たな職場を探していて出会った南方は何やら怪しい匂いが漂う危険な男で……!!? トラブルメーカー小春の危険な事件簿、はじまります!!


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