【オススメ】 藤田和日郎/双亡亭壊すべし


双亡亭壊すべし(1) (少年サンデーコミックス)

■【オススメ】国家が総力をかけて、謎の屋敷「双亡亭」を破壊しようとする。

プロットが凄い、というか奇妙。こんな話を新人が描いたら 企画が通らなそうだが新人賞でこんなのを描いてきたら注目されそうだ。しかし勢いがありながら破綻しないのがプロの技である。


話の軸のひとつは、双亡亭という屋敷をめぐる男たちの話。子供の頃、そこで友人の女の子を失った2人は長じて総理大臣と防衛大臣となった。彼らは満を持して、トラウマとなっているその双亡亭の破壊を国家として行うことにする。


別の軸は、その双亡亭の一角に移住してきた父子の話。父は双亡亭にとらわれてしまう。その子とちょっとやりとりして気に入ったのが絵本作家志望の絵描き青年。彼は本作の傍観者、狂言回しとして存在する。


更に別の軸。双亡亭にとらわれた父の娘は呪いを断ち切る巫女であり、この事件に関わることになる。それと45年前に行方不明となった飛行機が突如現れ、そのボロボロな機体には一人の少年が搭乗していた。腕がドリルに変わる!という彼は名札をつけており、それは絵描き青年の祖父の兄の子供であるのだという。こうしてアクション部分を担う2人が、主要人物の親族として話に加わり加速度がつく。


人喰い屋敷ホラーだが規模感が非常に大きい。総理大臣と防衛大臣の話がまだ物語に絡んでは来ておらず、ここを掘り下げていくのか、それとも本筋とは切り離して現場の話に特化するのか。その点をどう料理するのかは見もの。


【データ】
藤田和日郎 (ふじたかずひろ)
双亡亭壊すべし (そうぼうていこわすべし)
【初出情報】週刊少年サンデー(2016年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】少年サンデーコミックス 【発行日】2016(平成28)年7月17日初版第1刷発行 ※紙書籍で購入:電子版発売済→双亡亭壊すべし(1) (少年サンデーコミックス)
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
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大正時代より、東京・沼半井町に 傲然とそびえ立つ奇怪な屋敷、 名を「双亡亭」。 立ち入った先で闇と出会ってしまったら、 もはや己は己でなくなるだろう。 遺恨を辿る者達はその門戸へと 導かれ、集い、挑む。 おぞましき屋敷を破壊する為に…!!


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