【オススメ】 新川直司/さよなら私のクラマー


さよなら私のクラマー(1) (月刊少年マガジンコミックス)

■【オススメ】「四月は君の嘘」も良いが「さよならフットボール」 が大好きだった身には、その続編的作品ということで狂喜乱舞の一作。

著者は今回、前々作同様にサッカーをテーマにしたのか、 それも女子サッカーか、と思って読んでいたら、 前々作に登場した人物も出てくるのだった。 「 さよならフットボール 」は全2巻ということもありまとまりもよく、 このブログを開始して以来最も気に入った5作の中に入るような 絶品で大好きなのだが、その続きが読めるとは、感謝感激雨あられである。


まず話は中学の女子サッカーから始まる。 試合に負けた側が揉めており、一人で勝手にあがっていった 選手が責められていた。が、それを対戦相手が擁護する。 彼女が思うこと。突出した才能が環境のせいで死んでいく− ついていける人がいないために、生きてこないのだ。 勝った側は全国3位となり「完成されたボランチ」として サッカー雑誌の記事にもなった。そんな彼女が気にかけるのは、 件の負かした相手。そんあふたりが連れ立って、高校生の練習試合を観に行く。強豪校に負けたチームは、もめていた。先輩たちは部活をやめてクラブチームに行くという。ひとり、奮闘していた選手は残される。 そんな選手をみて、全国3位のボランチが言う。「あの人あんたと似てるわ」「あんたと同じ1人ぼっちだ」そして、一緒のチームに行こうよ、1人になんてさせないから、と口説く。才能をよく知っているから。


その結果が、負けた高校のほうにともに進学することになる、という ところが本作のツイスト。え、なんで?と中学3位のボランチに言わせるところなどは、あだち充の漫画のようなテイストである。しかし監督はやる気がない。初日から練習試合、しかも部員17人。2年と1年でチームをわけて戦うが、そこで初手から新入生コンビは輝きを見せる。と、そこで「女子サッカーにも凄いのがいるな−」「私ほどじゃないけどね」と言って1ページぶちぬきのコマで紹介されるのが、これも1年生の恩田希である。前々作のヒロインだ。1人ぼっちだった子が、ボランチの子からのパスを読まれて潰されたところ、中学時代であれば そこで終わりで「1人ぼっち」感を味わう場面で、恩田希が駆け込み繋いでいくのだった。


サービスとして、高校にはナメックも含め「 さよならフットボール 」の面子が勢揃い。前々作のヒロインは、監督に 「もう一度女子サッカーを世界一にしてこい」 「お前は女子サッカーに行くんだ」 と言われ、その気になった。 一方で高校の監督はやる気がない。それは、 卒業生で元日本代表がコーチに来た今シーズンももかわりがない。 その底には 「女子サッカーに未来はあるのか? 」との問いかけがある。これは、深い。スポーツ漫画には、 本来これがあるべきである。 昔、某「情熱大陸」で某プロゴルファーが、某スポーツとゴルフとどちらを選ぶかで、 将来プロとして生計を立てられる可能性があるのはゴルフなので選んだ、某スポーツで稼げますか?的な発言があり、少々炎上した。しかし、 それが本音である。というか、本人としては重大な問題で、 そもそも稼げない道を選ぶというのは人としてありえない。 勿論、誰も選んでいない道でオリンピックをめざす、 メダリストになる、それで知名度を上げて商売に繋げる、 というのもあるだろう。しかしそれは、起業家になるのと 同じくらい至難の業である。


しかし前々作のヒロインは、とても明るい。 女子サッカーにも凄いプレイヤーがいるんだ。 「フットボールはこんなにも高くて広いなんて−」 感動する彼女に、友人が言う。「ほら私の言った通り/夢のようなサッカー人生が始まるよ」彼女が、周りにも触媒していく。ああ、やっぱり彼女が真のヒロインなのだな。となれば、女子サッカーの未来を切り開く話になるのだろう。 今後が非常に楽しみ!


ところで。本作の問題は、女子サッカーなので女子ばかり、しかも スポーツものなのでタイプの幅には限界があるため、 描き分けが微妙なところ。あだち充的な極端な描き分けは 意味があるのだなぁと思わせる。で、タイトルのクラマーってのは デットマール・クラマー でいいんですよね?


【データ】
新川直司 (あらかわなおし)
さよなら私のクラマー
【発行元/発売元】講談社 【レーベル】月刊少年マガジンコミックス 【発行日】2016(平成28)年8月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
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中学時代輝くことなく終わったウイング、周防(すおう)すみれは、ライバルである曽志崎緑(そしざき・みどり)から誘いを受ける。「一緒のチームに行こうよ、一人になんてさせないから」。そんな真摯な言葉に、周防が出した答えは……。たくさんの個性豊かな選手が集まり、今物語の幕が開く!!


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