武田一義/ペリリュー −楽園のゲルニカ−


ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1 (ヤングアニマルコミックス)

■太平洋戦争、ペリリュー島の戦いを描く。

死闘というか悲惨な戦いが繰り広げられた ペリリューの戦いをもとに描かれる作品である。 主人公はメガネ姿の一等兵、 日本に帰ったらここでの見聞を元に冒険漫画を描きたい、 と思っている人物として設定されている。


楽園のような島であるが、島民は強制移住させられ 日本兵ばかり。南方の戦争は玉砕が続いているなか、 この島がアメリカ軍に奪われ飛行場と されるとフィリピンに上陸されてしまう、 という重要性があった。それゆえ日本軍は徹底抗戦し アメリカ軍を苦しませた。一方でアメリカ側とすれば 戦略上ペリリュー島攻略に意味があったのか、 犠牲の割に得るものがなかったのではと言われている、らしい。


ということを踏まえつつ、主人公は頑張らなければと 思っているが死にたくはない。一方で父のように立派に 戦って死にたいと思っていた者が転んで頭を打って 亡くなるという残念な死に方を間近でしてしまう。 そんな彼の死に方を内地の遺族にそのまま伝えるには忍びない、 として主人公はマンガを描いていることから「功績係」に 任じられる展開は笑えるも哀しい。 股間撃ちぬかれてしまう兵士がいるのは、実際あっただろうが、 著者の作品( さよならタマちゃん )のセルフパロディなのだろうか・・・。


アメリカ軍の攻撃が激しくなり、死闘を尽くすも劣勢のなか、 特攻を主張した軍曹が亡くなる。そこで全体を見通せている伍長は 生き残るための立ち回りをはじめ、主人公もそれについていく。 一方で最後まで戦い続けるのだと思いを募らせる少尉も別隊にいる。 ペリリュー島で日本軍は戦死者1万人超、一方で捕虜は202名、最後まで戦い生き残った者が34名であるらしい。さて主人公はどこに分類されるのか。


なおペリリューの戦いについてはユージン・スレッジ「ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫) 」が詳しく、テレビドラマ「ザ・パシフィック コンプリート・ボックス(5枚組) [Blu-ray]」の元にもなっている。


【データ】
武田一義 (たけだかずよし)
ペリリュー −楽園のゲルニカ−
【初出情報】ヤングアニマル(2016年) 【発行元/発売元】白泉社 【レーベル】YOUNG ANIMAL COMICS 【発行日】2016(平成28)年7月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★★
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昭和19年、夏。太平洋戦争末期のペリリュー島に漫画家志望の兵士、田丸はいた。そこはサンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた楽園。そして日米合わせて5万人の兵士が殺し合う狂気の戦場。当時、東洋一と謳われた飛行場奪取を目的に襲い掛かる米軍の精鋭4万。迎え撃つは『徹底持久』を命じられた日本軍守備隊1万。祖国から遠く離れた小さな島で、彼らは何のために戦い、何を思い生きたのか──!?『戦争』の時代に生きた若者の長く忘れ去られた真実の記録!


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