【オススメ】 成瀬乙彦/ヒュプノス


ヒュプノス (ビッグコミックス)

■【オススメ】 彼の見る悪夢を他にも見ている者がいた。 宇宙人と精神世界で戦うダークファンタジー。

学校で突然クラスメイトが爆死するように亡くなった。 主人公はそれを目の当たりにしながら、 何故そうなったかを朧気に理解していた。 そして、校内には同様の者がちらほらと。 彼らは、覚悟はしておいたほうがいい、と自分と仲間に言い聞かす。


話は一週間前に遡る。新入生であった主人公と 爆死した旧友は、先輩に名指しで呼び出されていた。 そこで語られたのが、夢の話。 集めた側も集められた側も、戦いの夢を見ていた。


その戦いが、現実のものであるというダークファンタジー。 宇宙人が精神世界の存在で実態がないものである、 なので夢の世界で戦っているという設定はちょっと珍しい。一方で、 夢の世界ながら冒頭にあるように 現実世界の生身の人間が傷つき死もある、というのは 烏丸渡/NOT LIVES −ノットライヴス− のような不条理ゲームものに近い。


本作がユニークなのは、主人公たちがおかれている状況が セリフで長々と説明されるところにある。 漫画なのだから設定をセリフで説明するなんて論外、 と普通なら思う。だが本作の場合は、飲み込みづらい設定で かつ複数人に跨り更に時間軸も長い話であり、 登場人物に言葉づてで説明されたほうがリアルである。


不条理パニックサスペンスものは定番となっている。 ジャンル漫画は語り口も決まってくる。 なので類似作品のあるジャンルで新味を出すとしたら、 表現技法として当たり前だと思われていることを疑うところ に突破口があるのかもしれない。 本作の場合、主人公は人の輪にすんなり入れず躊躇 していることが彼の個性であり後悔であり乗り越えるべき壁と なっている。そこを強引に事態を展開して否が応でも巻き込むという 定番のスタイルではなく、彼自身にじっくり考えさせる 猶予を与える語り口は本作には正解だったように見える。


幸せだと思うとそこを嘲笑うかのように責められるようだが、 主人公が生きたいと強く願ったことで殻を破る。 実は問題は解決せず続いては行くのだが、それでも、 一歩踏み出した新しい未来があり希望が見える。


絵は少々癖があるが、 一巻完結という尺もよく、綺麗にまとまっていてオススメの一作。


【データ】
成瀬乙彦 (なるせおとひこ)
ヒュプノス
【初出情報】ビッグコミックスペリオール(2016年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】ビッグ コミックス 【発行日】2016(平成28)年6月4日初版第1刷発行 ※紙書籍で購入 →電子版ありヒュプノス (ビッグコミックス)
■評価→ A(絶品)
■購入:
amazon→ヒュプノス (ビッグコミックス)

高校一年生の相模は高校入学後、不思議な夢を見る。 それは夢の中で変身し、見知らぬ「敵」と戦うというもの。 その特殊な「夢」は、「人類の侵略者との戦い」だった...!! 新鋭・成瀬乙彦が送るダーク青春ファンタジー!


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