のむらしんぼ/コロコロ創刊伝説


コロコロ創刊伝説 1 (てんとう虫コミックススペシャル)

■のむらしんぼ氏の自叙伝とコロコロコミックの歴史を綴った一冊。評判になるのはわかるが、一冊の単行本としての構成は微妙。でもこの雑誌のような構成が今どきには向いているのか?

コロコロコミックの創刊当時を描く漫画。一方で著者の自叙伝でもある。さらに、現代から振り返って描くスタイルで、著者は現在妻子に去られ借金も抱えていると記されている。結論からいえば、この3点がミックスされているので話が細切れになった感がある。


「ドラえもん」と学年誌のヒットから、人気が下火だった児童漫画を盛り上げようと『コロコロコミック』を立ち上げる話は面白い。だったら視点は編集者側にあったほうが良かったのではないか。ただ、少年誌は対象年齢が上がっており、少年サンデーに投稿した作品から引っかからなかった作家をどんどんスカウトしていったという皮肉なエピソードがあるので、当事者でないと描きつづらいのも確かではある。


とはいえ途中でまるまる「ゲームセンターあらし」のエピソードがあるように、著者自身の話ではないものもあるので、だったら著者は背景に徹しても良かったようなとの思いも。描く対象がぐらぐら動くので話に入り込めなかった感がある。そのバラバラ感は雑誌的で、いまどきの読者には向いた作りなのかもしれず意図した構成なのかもしれないが。


それと、『コロコロコミック』は早々に卒業していく雑誌なので、思い入れのある読者は少ない。子供なので全部読んでいるはずなのだが、実はあまり記憶に残っている作品も少ない。あまりおもしろい作品がなかった、ということではなくて、子供の成長度合いや興味の移り変わりにマッチングさせるのは難しいということなのだろう。とはいえ本作でフィーチャーされる「ゲームセンターあらし」や「とどろけ!一番」の記憶は確かにあった。でも考えてみたら面白いと思ったことは別になく、思い入れは全くない。同世代のネタにはなるけどね。児童漫画の不幸はそのあたりにあるのだろう。コロコロコミックは漫画家を本当に幸せに出来たのかどうか、ビジネススキームとして成立していたのかどうか、他の漫画雑誌のスキームと比べて優位だったのか劣位だったのか、を検証して欲しいところ。まぁ充分成功しているのだろうけれど、そこで描いていた漫画家がつぶしが効くのかどうかという問題はあるような気がする。


【データ】
のむらしんぼ
コロコロ創刊伝説
【初出情報】コロコロアニキ(2014年〜2015年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】コロコロアニキコミッックス 【発行日】2016(平成28)年3月20日初版第1刷発行 ※紙書籍で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→コロコロ創刊伝説 1 (てんとう虫コミックススペシャル)
「コロコロ」を創った男たちの真実の物語!
『とどろけ!一番』『つるピカハゲ丸』の作者・のむらしんぼが、すべてを賭けて描く「コロコロ」を創った漫画家と編集者の真実の物語。大人のコロコロ「コロコロアニキ」で連載開始以来、テレビや雑誌、SNSなど各所で話題となっている『コロコロ創刊伝説』が、ついにコミックスになりました。
小学生男子のバイブルとして、現在でも発行部数100万部を誇る「月刊コロコロコミック」はいかにして創られていったのかを、創刊当時から現在まで、約40年もコロコロで描き続けている作者が漫画化しています。
『ゲームセンターあらし』誕生の秘密や、藤子・F・不二雄先生との心温まるエピソードなど、かつてのコロコロ読者なら必読の裏話が満載! 離婚や借金など現在の私生活のピンチについてのリアルな描写も、もう一つの見どころとなっていて、まさに人生を賭けた一冊となっています。


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