【オススメ】 青野春秋/100万円の女たち


100万円の女たち 1 (ビッグコミックス)

■【オススメ】 30代男性は美女5人が住むシェアハウスの家主。 小説を書きながら家事をして、彼女たちからひとり100万円の家賃をもらう。

主人公は小説家。彼の描く小説では誰も死なない。そうルールを決めたのは、 彼の父親が人殺しだから。ワープロやパソコンは使わない。ケータイ電話も持たない。連絡は電話かFAX。そのFAXには毎日、死ね、というメッセージが届く。


家には17歳から30歳まで5人の女性が暮らしている。彼女たちが何をしているのか、彼は知らない。質問をしないのがルール。彼女たちの食事を作るのが彼の役割。夕食は全員が揃って食べる。彼の小説はまったく売れていない。一方で毎月28日、同居している女性たちは彼に現金で100万円を支払う。ルール上は、家賃という名目であった。


奇妙な話である。ただし主人公にまつわる部分はさほど奇妙さはない。 小説家となった経緯は普通。親が人殺しであるということの詳細は一巻で明らかになるが筋は通っている。彼自身に死ねなどとFAXが届く理由はよくわからないが、この程度の不条理は社会にはよくあるだろう。彼を批判する評論家の存在も同様である。


奇妙なのは、シェアハウスである。なぜ彼らが同居しているのかはいまだ明かされていない。男と女の話は出るが、するしないといった関係ではなく、より深淵。とはいえ思わせぶりなだけで、本題とは関係ないのだろう。なぜか毎月大金を払える美女たちの背景は、彼は頓着していないが、徐々に明かされつつあり、ひとりは高級コールガールの元締め的存在。ひとりは世界的大女優だという。芸能やテレビの世界に主人公が疎いという背景があってこそ成り立つ話なので都合の良い設定ではある。


内容は人の目と思い込み、価値観の話か。「世の中には人間の数だけ価値観の違いがある」「質より人気にという付加価値に弱い人間がくさるほどいる」主人公の家に女性5人が集うのは、彼が外界からほぼ隔絶していて情報に踊らされることがないから、なのかもしれない。


ところで単行本発売記念のプロモーションが面白い。公式アカウントをフォローし、ハッシュタグをつけて感想をつぶやくと、限定で著者直筆の応募者の似顔絵をプレゼントするのだという。詳しくは単行本をお買い求めの上、帯をご確認ください。


【データ】
青野春秋 (あおのしゅんじゅう)
100万円の女たち
【初出情報】ビッグコミックスピリッツ(2015年〜2016年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】ビッグ コミックス 【発行日】2016(平成28)年4月4日初版第1刷発行 ※紙書籍で購入→Kindleは4/28発売:100万円の女たち(1) (ビッグコミックス)
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→100万円の女たち 1 (ビッグコミックス)
◆あらすじ◆ 売れない小説家、道間 慎。彼は5人の女たちと一緒に暮らしている。 女たちは毎月、彼に100万円支払い、彼が女たちの世話をする…なぜ? 金と愛と死の臭いが立ちこめる一軒家で、歪な六角関係が繰り広げられる…
◆紹介◆ 『俺はまだ本気出してないだけ』の作者が、100%本気で挑む新境地!! 散りばめられた秘密を追ううちに、いつしか女たちの虜に… 謎が恋を呼ぶ、異色のミステリー×ラブコメディー!!


■当サイトの著者他作品レビュー
青野春秋/ガールズトーク
青野春秋/スラップスティック
青野春秋/夢子ちゃん
【オススメ】 青野春秋/俺はまだ本気出してないだけ


2015年のベストセレクションを含む年間オススメ


search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)
チケットぴあ

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM