世界はボクのもの(1) (ビッグコミックス)
■【オススメ】 才能があるがその道に進みたくない少年 を主人公としたボクシングもの、を アイドルものと組み合わせた奇妙な話。
相変わらず変な話を描く著者の新作は 表紙にあるようにボクシングとアイドルもの。 やりたいことと才能がすれ違う話であるのは 本作も同様。
今回の題材は、アイドル。主人公はその追っかけの オタク。現場に足繁く通いはじめて、 推しにも名前を覚えてもらって感激。それを 仲良くなったファンたちと共有できて、 楽しい毎日を送っている。
その グループのリーダーが ツイッターにあげていたプライベートで通っている というジムの写真。友人はそれどこかを突き止めた。 ジムに入会し彼女に出会えたら特典会よりも たっぷり話せるのではないか。 そう語る彼に連れられ、主人公はボクシングジムを訪れるはめに。
そんな大学生の彼だが、実は秘密がある、 という展開。その秘密は、彼の実家がそもそも 有名なボクシングジムで、そこで英才教育を受けていて、 ボクサーとしての能力が最高級であるということ。 でも人がみな敵にみえてしまい友人もいなかったことから、 ボクシングの道は選びたくないと宣言しているのだった。
ジムを運営する祖母が主人公に執着しており、アマ8冠で主人公に 敵対心を燃やす注目の選手とスパーさせれば結果余裕で相手をKO してしまう始末。そんな能力はあるけどそれを行使しません、使いません、というお話。だが、体験で行ったジムに目をつけられて、 彼が好きなアイドルを使って表舞台に引っ張りあげられる展開となるのだろう。
特に話が始まっていないともいえる一巻だが、それを面白く描いたのは 本筋ではないアイドル話をきっちり作りこんで描いたことにある。 ボクシング誌に配属されたイケイケな女性編集者は正直邪魔で違和感があるのだが、 衝撃の事態に遭遇する部外者的な立ち位置の人物を必要とした結果なのだろう。続刊でいま以上に盛り上がる展開になるかどうかは微妙だが、 とりあえず一巻の出来は素晴らしい。
【データ】
若杉公徳
(わかすぎきみのり)
世界はボクのもの
【初出情報】週刊ビッグコミックスピリッツ(2015年〜2016年)
【発行元/発売元】小学館
【レーベル】ビッグ コミックス
【発行日】2016(平成28)年3月5日初版第1刷発行
※紙書籍で購入
■評価→
A(絶品)
■続刊購入する?→★★★★
■購入:
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砂原世界・18歳・男子。 アイドルグループ「マジかよ少女隊」を こよなく愛する彼には、仲間にはひた隠しにする秘密がある。 それは【ボクシング】が、【異常に強い】こと!! 最強ドルヲタ男子がフルボッコモード凸!! 可笑しいのに、強い!気持ちいい! 愉快!豪快!ドルヲタmeetsボクシング物語!!!
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