【オススメ】 田亀源五郎/弟の夫


弟の夫 : 1 (アクションコミックス)

■【オススメ】身近にやってきたLGBTを戸惑いつつも受け入れようとする主人公の話。

両親が亡くなった時の夢を久しぶりに見た主人公は、写真の中の妻に、「君の夢は良く見るよ」と語りかける。 今は娘との二人暮らし。そこに外国人の男性がやってくる。彼は、弟の夫だった。


10年前に家を出て外国へ行き音沙汰のなかった双子の弟は、先月亡くなった。 弟は彼にゲイであることをカミングアウトしており、彼にパートナーがいることは 特に意外というわけでもなかった。とはいえどう受け止めるべきか、受け入れるべきか。 普通に偏見と差別からくる反応が頭をよぎるのもの、娘の前でそうした発言はいかがなものか、 と考え慎重に対応していくに連れ、特別に応対する必要などないのではと思い始める。


主人公自身に感情のわだかまりはさほど無い。偏見や差別に関しては、知らないものに ついて恐れを抱くのは人間として、動物として当たり前。知っていくにつれて恐れるもので ないと思えば自然と受け入れていくものである。なので、当事者が周りにいて揉めている場合の 偏見や差別と、そばにいないことからくる偏見や差別とは、質が異なり区別して扱うべきである。


一方で被差別側が差別反対という場合、それは、差別する側だけでなくされる側にも 問題があることは多い。差別はする側が悪いのではあるが、その問題を引き起こす原因は 差別される側にもある。いじめと同じである。何も理由がなく差別やいじめが起こることは少ない。 何らかの理由はある。勿論それが合理的なものとは限らないし差別されるのが当然という話ではない。 だが多くの場合、付け入らせる何かがある。


とはいえLGBTの場合、何かいけないことがあるか?というと、殆どない。あるとしたら、 ストレートな同性に執拗に迫る場合くらいだが、よくよく考えれば異性間でもストーカーや迷惑行為など あるわけで、別にLGBTの文脈で考えるべきことではなく普通の恋愛として考えて処理すれば良いことである。 不倫や略奪といった類でない恋愛が他人に迷惑をかけることはない。子供が生めない関係は不自然だ、 という話は、じゃあ子供できない夫婦はいびつなのかという話で、石女だなんだという封建時代的な 意識に戻ってしまう。動物は遺伝子を残すために生きているのかもしれないが、人間もそうなのだとすれば、 社会的動物などと偉そうなことを言うのは慎んだほうがいいだろう。LGBTだろうがなんだろうが、 特別視するようなものではない。逆にいえばゲイカルチャーなんてもてはやすのもまたおかしな話だろう。


という話はさておき、終盤では不思議な展開に。こういうミスディレクションを用意しているとは思わなんだ。 この手の話で意外なツイストが入るのは上手い組み立てだと思う。


【データ】
田亀源五郎 (たがめげんごろう)
弟の夫 (おとうとのおっと)
【初出情報】月刊アクション(2014年〜2015年) 【発行元/発売元】双葉社 【レーベル】ACTION COMICS 【発行日】2015(平成27)年5月25日第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
■購入:
amazon→弟の夫 : 1 (アクションコミックス)

ゲイアートの巨匠、田亀源五郎、初の一般誌連載作品。弥一と夏菜、父娘二人暮らしの家に、マイクと名乗る男がカナダからやって来た。マイクは、弥一の双子の弟の結婚相手だった。「パパに双子の弟がいたの?」「男同士で結婚って出来るの?」。幼い夏菜は突如現れたカナダ人の“おじさん”に大興奮。弥一と、“弟の夫”マイクの物語が始まる――。

【参考】
田亀源五郎が描くホームドラマ「弟の夫」2巻発売で渋谷にてサイン会 - コミックナタリー
「弟の夫」に関する記事一覧 _ このマンガがすごい!WEB



search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile



チケットぴあ

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM