【オススメ】 高野雀/さよならガールフレンド


さよならガールフレンド (FEEL COMICS swing)

■【オススメ】田舎の息苦しさと、その中での達観と。

70ページほどの中編である表題作と、他に5篇の短編で構成された作品集。 全体に綺麗な絵柄で綴られおしゃれな雰囲気さえするが 無機質な風景が基本。舞台が田舎でも、都会でも。


表題作は、女の子が先輩の女子との別れに涙する話。といっても百合な感じではない。 田舎の狭い社会のなかで、自分と波長があうのが彼女だけだった、という話である。 彼女だけが何か達観している。一方で田舎から抜け出さないと変身もデビューも出来ない。 選択肢が狭く攻略ルートも少なくドロップアウトすると道がない、という 日本や韓国にありがちな窮屈さの縮図である。「この町じゃ何十年も前の喧嘩の話引きずってるバカが山ほど居んだよ」 そういう精神性がいやで日本人は都会化していったと思うんですがね。


田舎のバカな男子を出しつつ、それに付き合ってしまう女子の情けなさと切なさ。それを、さらっと描くところは 面白い。都会的なセンスで田舎や田舎者を描く、というのは、あまり見ない作風なので、ハッとする。 ただ、この田舎の話は、主人公が何か不満を覚えなければ、「それでも町は廻っている」になるのであって、 本作はその裏返しのように見える。ここではないどこか、を望んでいるだけ、ここに何かを見いだせていないだけ。 とはいえそれ町はファンタジーなので、男が猿のように盛らない、という設定が必要。しかし田舎にはいかんせん娯楽がない、というか居場所がないので男女関係に帰着してしまうのだろうか。


作品が終わったあとに、その後の展開の可能性のようなオチが一コマついてくるのは、読後の良いクッションになっている。読後感を大事にしたい人には複雑かもしれないが、個人的にはあってよかった。 巻末の話はそのクッションがないが、さわやかな終わり方なのでこれはこれでよし。 モラトリアム的な悩みを描いている作品集なのだが、清涼感があるのが特徴的な一冊である。


【データ】
高野雀 (たかのすずめ)
さよならガールフレンド
【発行元/発売元】祥伝社 【レーベル】FEEL COMICS 【発行日】2015(平成27)年4月8日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作)
■購入:
amazon→さよならガールフレンド (FEEL COMICS swing)
数多のマンガ読みから絶賛の嵐!! 2015年最注目新鋭待望のデビューコミックス! 「わたしが男子だったら先輩とは絶対にやりません」セックスばかりしたがるうざったい彼氏。噂話しかゴラクのないクラスメイト。この町の人間が嫌いな母。ここは、どんづまりの小さな町。色んなことに嫌気がさしてた高校3年の夏── ちほは、自分の彼氏と「ヤった」らしい。“ビッチ先輩”との出会い…? 単行本化が熱望されていた表題作に加え、アラサー女の迷い道、こじらせ女子の憂鬱、思春期少年少女の甘酸っぱい夏など、個性ゆたかな短編5作品も収録! ●同時収録―面影サンセット・わたしのニュータウン・ギャラクシー邂逅・まぼろしチアノーゼ・エイリアン/サマー

【参考】
コミティアで人気博す高野雀のデビュー単行本、女と服描く未収録作をWEBで公開 - コミックナタリー
『さよならガールフレンド』(高野雀)ロングレビュー! 「コミティア見本誌読書会」第1位! 賞賛の嵐を巻き起こした超大型新人デビュー!!  _  このマンガがすごい!WEB



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