河合単/銀平飯科帳


銀平飯科帳(1) (ビッグコミックス)

■舌は良いが根気のない青年が浮上のきっかけを掴むのは、 温故知新。食*タイムスリップものの新作。

主人公はお調子者。自分の店を持つが客の入りは今ひとつ。 それを昔馴染みに指摘される。大学を中途半端に中退するわ、 修行に入った店も途中で放り出し続け、基礎のないまま30過ぎ。 積み重ねたことが何もないことは、自分でもわかってはいた。


そんな彼が神頼みをしたところ、神社の拝殿の中に井戸を見つけ、 偶然から中に入り込んでしまう。すると彼は、江戸時代にスリップしていた。 ということで、話はタイムスリップものである。 現代の知識を持っており、続かないにしても和洋いろいろな料理に 実際に触れてきた彼の能力は、江戸で食を作り出すのに持ってこいなのだった。


将軍の食べる料理を管轄する膳奉行と出会い、そこで病からか味がわからなくなって しまった兄とそれをサポートするも力不足を感じる妹に助けを求められる話。 その仕事が、飯科帳という食の番付づくりという設定はユニークである。 主人公が食べ物の味の良し悪しがわかる素晴らしい舌を持っている ことが話の根幹で効いている。


タイムスリップも食の番付も、題材としては既出ネタ。食*タイムスリップという ものも新機軸ではない。火付盗賊改方長谷川平蔵の子孫、という人物を持ってくるが、 ネタ振りにとどまる。江戸時代の膳奉行の妹について男だと誤解した ままという主人公の朴念仁かげんは呆れる設定だが、自分が映える江戸時代にも特に 関心を持たず、そこが活躍の場だという認識がないのは面白いが、そんな人物が 店を経営する才あるかいな?と思わなくもない。


都合の良い設定が羅列された作品ではあるが、江戸時代と現代を行き来して、 そこで知識を使って料理をクロスオーバーさせる様は読んでいて魅力的。 話もエピソードは楽しい。だが大きな物語が弱い。とはいえ、 主人公に自覚が芽生えるという成長譚と、 時代を超えたロマンスを用意すれば解決するので、連載が続けばより面白くなっていくのだろうとは思う。


【データ】
河合単 (かわいたん)
銀平飯科帳
【初出情報】ビッグコミックスペリオール(2015年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】ビッグ コミックス 【発行日】2015(平成27)年8月4日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入:
amazon→銀平飯科帳(1) (ビッグコミックス)
東京神田で創作居酒屋を営む武藤銀次。 店も料理も中途半端な銀次は江戸時代にタイムスリップ。 将軍の料理番を務める兄弟と出会い、 江戸のグルメガイドを作ることに・・・・・・ 謎の調味料「煎り酒」、 江戸のスープかけご飯「こしょう飯」、 酒かすで作る「江戸風カルボナーラ」ほか、 真似したくなるレシピが続々登場!! 江戸時代と現代と、ダブルで旨い! 大人気グルメコミック、待望の第1集です!!

■当サイトの著者他作品レビュー
河合単/マンガ・うんちくラーメン
久部緑郎、河合単/らーめん才遊記



search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM