はしもとみつお、よこみぞ邦彦/医者を見たら死神と思え

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医者を見たら死神と思え(1) (ビッグコミックス)

■医療の表と裏を描く。

大学病院で神の手と称される腕を持つドクターの話。 医師会の会長の息子というサラブレッドでもある。 一方でそんな彼を死神医師だと呼ぶ者がいた。


大学病院を舞台にした漫画。政治家も絡んだ医師会の 利権争いがあり、また教授などポストをめぐる争いもある。 前者は主人公は特に関係しないが父には材料に使われ、 また後者は自身は泰然自若なのだが同僚には妬まれてもいる。


そうしたところまでならよくある話だが、 本作はもう一歩踏み込んでいる。 手術や薬を使うこと自体が本当に意味があるのか、 という問いかけがなされている。


ジャーナルが真実なのかどうか。都合の悪いデータも きちんと収集し追いかけているものなのか。外国の事例も 収集できているか。それ以前に、日本は寿命は長いが、 病院の使い方や医療費は適正なのか、手術してもベッドで 寝たきりになり延命されている状態であるのが正しいのか、 手術による譫妄の問題はどうとらえるのか。


医は仁術と言われるが、 そもそもが自然に逆らうことであって詐欺師ペテン師占術師の類と 根本は変わらない。それが立派なものであるというフリをして、 格好を整えブランディングを行いまっとうなものでございという 顔を得た点で、金融だのマスコミだの裁判官弁護士だの と変わらない。基本的にはいなくて良いし、いなくて良い仕事なので高給とり なのである。そういう仕事なので、目は外部ではなく内部に向く。 いずれ時代に葬り去られる仕事の現在は過渡期であるのだろう。


そもそも先進国の寿命が伸びた理由は医療の発展にはなく、 冷蔵庫の普及が最も相関性が高いと言われる。 医療全体が間違った方向に進んでしまっている昨今、 それを問いただす作品となるのか、というと、そこまではどうだろう。 題名をみると、踏み出して欲しい方向ではない 極端なところへ進んでしまいそうな気もする。監修に近藤誠という名前があるので、その可能性は高いだろう。 とはいえ一巻時点ではバランスが取られている。が、オススメはしない。 ただ、議論が巻き起こるのであれば、それは良いことであるし意味があるのではないか。 でも、まともな議論にならず持論の言いっぱなしで新しいものを何も生み出さないというのが 昨今の議論ではありますが・・・。


【データ】
原作= はしもとみつお、作画=よこみぞ邦彦 (よこみぞくにひこ)
医者を見たら死神と思え
【初出情報】ビッグコミック(2014年〜2015年) 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】ビッグ コミックス 【発行日】2015(平成27)年5月5日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
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啓応大学医学部准教授・真藤隼人は、食道がんの世界で「神の手」と称される凄腕外科医。東京都医師会会長の父・源一郎を後ろ盾に、啓応大学史上最年少教授の座を狙う位置にいた。ところが、隼人の前に、冴えない“万年講師”・来栖真吾が立ちはだかる。来栖は言う。「お前は患者を死に追いやる死神だ・・・」と。続けて、「お前の手術に意味はない、なんなら俺を手術してみろ」と挑発する。焦る隼人は「神の手」のプライドをかけ、がん手術を否定する来栖に立ち向かうものの・・・・・・!?

これまでの医療漫画・ドラマを完全否定する、前代未聞のドクター物語が開幕――!! がん手術と抗がん剤は寿命を縮める!? 長期入院で人格が豹変するせん妄の恐怖とは!? がん手術に付きもののリンパ節郭清に意味はない!? ・・・・・・等々、内容は盛りだくさん。 ぜひご一読を!!


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