【オススメ】 ウチヤマユージ/月光

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月光

■【オススメ】特異な題材を一風変わった構成で描く。 ちょっと軽いしアイディア一発の感もあるが、 今のところはそれで良し。

ヘルプデスクの仕事をしている主人公。仕事が終わると 車で山を上って帰っていく。一軒家のセキュリティは万全。 パーカーをかぶり格好を変えて奥の部屋へと入ると、 猫と少女が現れ、一緒に食事をとる。 少女に話しかけられても主人公は筆談で答える。


そんな第一話で始まる話。2話目冒頭ではその家に 警察が入って家主が取材されている。つまり、 犯罪的な雰囲気が示されるのだが、その後はまた時間軸が戻る。 そして、少女の背景と、主人公が気にしていることがかいま見える。 続いて3話目では、裁判風景。ただし主人公はいない。 しかしその話で語られる一家の娘が、主人公のところにいる 少女であることは、名前からもわかる。


話は要するに犯罪に絡んだ話で、しかも主人公はそれに噛んでいる。 そんな話を、時間軸を構成しなおして描くところが本作の まずユニークなところ。


一方で、殺人が絡む話の割に軽く描きすぎな感はある。 しかも犯罪に手を染める者の感覚までが軽い。 他人のせいにする人物ばかりが登場し、軽い気持ちで犯罪を依頼し、 軽い気持ちで受けて、そして仕事だからと人を殺す。 そんな闇の部分もある。


しかし話の本質はそこにはない。冒頭で描いた二人の話が、 この物語の本筋である。軽すぎる感はあるが、主人公はなにか運命か 使命を感じて少女を救う。少女は少女で、 家から救われ、犯罪者から救われたわけで、 ストックホルム症候群というわけでもないのだろう。


内容はワンアイディアの物語であり、珍奇なのは構成のせいだろうか。 とはいえ併録作品も異色の題材を一風変わった語り口で綴っており、 小品を描く才に魅力がある。著者が次の作品でどう変わるかが楽しみだ。


【データ】
ウチヤマユージ
月光
【発行元/発売元】講談社 【発行日】2015(平成27)年6月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作)
■購入:
amazon→月光

ヘルプデスクに9時・5時で勤める一見普通の青年・坂本。彼の自宅はひっそりとした郊外の一戸建て。そこには厳重に施錠された地下室があり、ワケあり少女との奇妙な共同生活が営まれていた。『松濤一家殺人事件』、『闇サイト』、『誘拐』、『筆談』──キーワードが導く異常な真実とは? コミティアで活動を続けてきた新鋭ウチヤマユージが、誰にも似ていないタッチで描く“日常系クライム・サスペンス”。


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