【オススメ】 沙村広明/波よ聞いてくれ

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波よ聞いてくれ(1)

■【オススメ】今度こそ間違いなく、人の死なない漫画であるらしい。 その枠ハメの窮屈さからこそ生まれるものがある。 というか確実に面白い。

この著者で、この題名である。 目次の各話エピソードタイトルはフォント大きめで 「お前を許さない」に始まり迫力あり。 でも表紙ではなんかヘッドフォンしながらマイク握って ブースで喋っているような。そういう話? 最終的には、そういう話になるようである。


しかし冒頭は、失恋して酔って荒れているヒロインから 始まる。愚痴っているが相手は初見、40分前に知り合った赤の他人であるらしい。 しかも絡みつつ、トークは弾む。 そんな彼女の職場はスープカレー屋。ちなみに舞台は札幌である。 前夜くだをまいた相手の名刺をみるとラジオ局のディレクター、 そのFMは店がBGMにしている局。 そして聞いていると昨日自分が話した話が自分の声で電波に乗って 流れてきた


ディレクターはヒロインの、素人らしくないどもらずトチらず 話がきちんと繋がりくすぐりもオチもある話と声とに 惚れたらしい。彼女をラジオのパーソナリティとして引きこもうとする話である。


漫画なので声がどうということは当然わからないが、 主人公の行動から見るに、そういう声なんだろうな、と 想像できてしまいそうなところが本作の凄さである。 そして漫才、コントのようなヒロインのトークの面白さ。 加えて登場人物が皆いい加減。いや、ヒロインにあてられて、 引っ張られているのか。


ラジオと恋愛の話、であるようだが、まともなラジオとまともな恋愛がどこにあるのか。 しかしそんな一巻なのだが、充分に面白いのだから脱帽である。


【データ】
沙村広明 (さむらひろあき)
波よ聞いてくれ
【発行元/発売元】講談社 【レーベル】アフタヌーンKC 【発行日】2015(平成27)年5月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品) ■続刊購入する?→★★★★★
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舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露する。すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で流されてしまった。激高したミナレはラジオ局に突撃するも、ディレクターの口車に乗せられアドリブで自身の恋愛観を叫ぶハメに。この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。まさに、波よ聞いてくれ、なのだ!

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