『幕が上がる』

幕が上がる 』 平田オリザ原作、本広克行監督と、下手なことになっている危険性もなくはないのではないか、と危惧していたが、ふつうに良い映画で安心した。アイドル映画というよりも青春映画。赤・黄・緑推しには良い映画、しかし桃・紫ファンにはどうだろう。

演劇部を通して描く少女の成長譚。主演のさおり=百田夏菜子が悩んで育つ様にフォーカスした話で、見やすい。一方で、主人公自身もそうだが、他の人物は掘り下げが殆どない。だからこそ物語をじっくり描く余地が生まれていて結果的には良いのだけれど、演目自体は当然部分的に摘んで見せるほかないことも相まって、話の展開の唐突さ、佳作なんだけれど物足りない、という気分になってしまう。

しかし、演技は自然で、百田夏菜子は凄い。ちなみに予告編の部分は本編にもあるが、そういう内容ではない。そもそも最初に燃やそうとしている台本にサマータイム〜ならぬウィンタータイムマシーンブルースとかなんとか書いてあるように小ネタ満載。しかしそれが小ネタで終わってしまっているのは、本編を侵食せず崩さないで済んだ一方で、カルトな作品になることを放棄してしまった。軽快なコントのようなスピーディなやりとりの部分も、一部あるだけで、それを膨らました映画とはならなかった。れにちゃんの役は一番存在感がなかったが、これは本当は卒業する先輩にあてるべきだったのではないか。とはいえその役はれにちゃんでは荷が重いか・・・。本作は多分にももクロメンバー5人の本質を活かすという要素も前提にあっただろうから、れにちゃんが空気になってしまうのは致し方ないところかもしれない。



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