雁須磨子/こくごの時間

こくごの時間 (A.L.C. DX もっと!).jpg
こくごの時間 (A.L.C. DX もっと!)

■国語の教科書に載っている小説をテーマにした話。 しかし最後の一話はなぜコミカライズなのか。

実家で片付けものをしていた際に 出てきたのは教科書だった。 自分のお店であるカフェに、 その国語の教科書を置くことにする。 そして石川啄木の「十五の心」に乗せて 思い出す、中学生の頃。


というか啄木という人物の酷さの ほうがそもそも描くに面白いんだけれど、 と思いつつ読み進めると、 太宰に関しては「走れメロス」と対比した 酷いエピソードが紹介されている。 その上で、エピソードに紐付けた フィクションが展開されていくのだけれど、 引用したエピソードに負けているような・・・。


元ネタを消化してはいるのだけれど、 その元ネタに触れざるをえない 作品の大本の仕掛け自体が そもそも間違いだったのかもしれない。一方で 第5話の「言葉の力」はその消化が一層進んで、 作品が完全に下敷きになっている点で 素晴らしく仕上がった。


なのでなんで最後に、コミカライズ作品を置いてしまうのか。 この構成はちょっと残念。


【データ】
雁須磨子 (かりすまこ)
こくごの時間
【発行元/発売元】秋田書店 【レーベル】AKITA LADY'S COMICS DX motto! 【発行日】2015(平成27)年2月25日初版発行 ※電子版で購入
■評価→ C(標準)
■購入:
amazon→こくごの時間 (A.L.C. DX もっと!)
忘れていた、あの時間、あの文学、あの気持ち。国語の時間に読んだ本がつなぐ「あの頃」と「今」。教科書オムニバス・ストーリー!!

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