【オススメ】 萩尾望都/ポーの一族

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ポーの一族(1) (フラワーコミックス)

■【オススメ】バンパネラの一族を描く、大河ドラマ。

旧作レビューを行う 一巻読破クラシックス のコーナー、 今回は 小学館漫画賞 の第21回受賞者・萩尾望都氏の作品で 先に取り上げた 「11人いる!」 と共に対象となった「ポーの一族」を紹介する。


SF作品であった「11人いる!」に対して本作は 1880年ごろ、と設定された第一話に始まる、 過去を舞台にしたファンタジーである。


夫妻と少年少女の4人は、村をあとにする。 土地を移り行くには、理由があった。 彼らはそうして既に100年の時を経ていた。 少年、少女は若い風体のまま、いつまでも成長しない。 聖書や教会、十字架が苦手で、 脈はなく、油断すると鏡にも映らない。 彼らは、吸血鬼、バンパネラなのだった。


彼らの特徴はバンパイアものの典型であり、不死ではあるものの、 クイを打たれれば死に、死ねば灰になる。 聖書や十字架に耐えることも努力次第では可能であるし、 人の精気を吸って生きるものなので血を吸わなくても良い、 という設定ではあるものの、 吸血鬼の造形を変えた作品というわけではない。


一方で、作品はバンパネラ側から見た風景を綴る エピソードを冒頭に据えており、 これは超能力者の苦悩や悲哀を描く類の 嚆矢の一つといえる。 設定の妙は、 子供の姿のままで成長しない人物を主人公に据えた点だろう。 そのために一所にとどまることができず、 何者にもなれない苦悩と、 それゆえ時間を超えて同じ人物が存在する タイムスリップ的なファンタジーとが同居する作品となった。 この、時代を超えて主人公が存在する点で、 SF的な色彩も合わせもったところが、70年代の作品らしさかもしれない。


ただ、ひとつ納得がいかないのは、 主人公のエドガーが、 風体どおりの少年らしい、理屈のわかっていない行動を とって自分たちを窮地に陥れることである。 100年ほど生きてきている割に、 行動が子供っぽいのはいかがなものか、 と思うものの、見た目で読者はなんとなく納得してしまう。 しかしやはり、主人公のその行動で話の展開が引きづられているため、 ちょっとどうにかならなかったのか、と思わなくもない。


【データ】
萩尾望都 (はぎおもと)
ポーの一族
【初出情報】別冊少女コミック 昭和47年12月号、7月号、8月号、3月号 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】フラワーコミックス 【発行日】1974年6月1日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
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1880年ごろ、とある海辺の街をポーツネル男爵一家が訪れた。ロンドンから来たという彼らのことはすぐに市内で評判になった。男爵夫妻とその子供たち、エドガーとメリーベル兄妹の4人は田舎町には似つかわしくない気品をただよわせていたのだ。彼らを見たものはまるで一枚の完璧な絵を見るような感慨にとらわれた。実は、その美しさは時の流れから外れた魔性の美。彼らは人の生血を吸うバンパネラ「ポーの一族」であった。市の外れに家を借りた一家は、人間のふりをしながら一族に迎え入れるべき者を探し始めた。そして、エドガーが興味をひかれたのが、市で一番の貿易商の子息であるアラン・トワイライトだった…。

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