【オススメ】 細野不二彦/商人道

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商人道(1) (ビッグコミックス)

■【オススメ】タイトルのルビはどうしようもなくダサいが、 内容もそういうモードだしそれで良いのか。

暑苦しい話だが、それを、現在の、会社舞台にしているところが 面白い。ただし、国内ではリアリティがないので、国外の、 理屈の通じない国を舞台に、商社マンが駆けまわる話としている。


気配りができる商社マン、ずっと行動していないと死んでしまうということで マグロ男と呼ばれているのが、商社らしい例え。 そんな彼が、大マグロと言われた常務の計画に引き抜かれる。 それは、中国でシェールガスを掘るというものだった。


あちこち飛び回る主人公の彼女が派遣社員だったり、 本社では専務と常務とが対立していたり、 という話があり、専務派の上司がアフリカで穴を開けた ことを主人公に押し付けようとする展開があるのだけれど、 それを物語の表側のラインとしなかったことは 本作の勝因だろう。 あくまで主人公中心に描けば、そうした陰謀的な話は当然 裏側に潜むものになるし、主人公の性格上、そうしたことを 気にするわけもなく、気にしても仕方がない。 となると、こういう展開になるわけである。


主人公の兄を出し、 公務員として家計を支えてきたが 今は小説家業とモデルガンショップ経営、 主人公は勿体無いというが、兄が言うには 「今は調子がいいからって図にのるなよ。/サラリーマンを続けていると 突然ロクでもない目に遭うんだぜ!」 その後の展開に絡めただけか、将来まで見据えての伏線となっているのか、 さて。


しかしシェールガスはホットなネタで、かつそれを中国で、 というのは現実を通り越していて面白い。 フィクションはこうでないと。 「島耕作」シリーズのように現実後追いされても、教科書じゃあないんだから、 という気がしていたので。 過去の事実踏まえてなんか書いて、ゲイジュツだ、とかいうような 作品はもうお腹いっぱいなので、 現在の一歩先、未来を描く作品がどんどん現れてくると 良いなと思っています。


【データ】
細野不二彦 (ほそのふじひこ)
商人道 (あきんロード)
【初出情報】週刊ビッグコミックスピリッツ 2014年30号〜39号 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】ビッグ コミックス 【発行日】2014(平成26)年10月5日初版第1刷発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★
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「シェールガスを掘りにいくぞ!」
中堅商社、ヒノマル物産で働く大佛晃人(おさらぎ あきひと)は、若手ながら24時間働くモウレツ型、いわば絶滅危惧種の商社マン! そんな彼にとって、社内に数々の伝説を残す熊代常務は目標といえる存在であった。
あるとき、上司のミスをなすりつけられ、閑職に追いやられる寸前で、彼は熊代常務からシェールガス・チームに社内ヘッドハントされる。そのプロジェクトは次世代型のビジネスであり、彼にとっては夢の実現の第一歩であった!
「オレもいつか、ヒノマル伝説つくりてえ!」
しかしプロジェクト提携のため、中国・北京に飛んだ彼らが待ち受けるものは、魑魅魍魎とした中国人の三国志・四国志さながらの世界! そして日本人同士の足の引っ張り合いにも巻き込まれ、先行きは前途多難に......
―この世には、商社マンにしかできないビジネスがある―
大佛たちは果たしてビッグビジネスを、成功に導くことができるのか!? 商社を舞台にした灼熱の企業ドラマが始まったばかりである!

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