【オススメ】 あずみきし/死役所

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死役所 1巻

■【オススメ】 捻りのある死後の話。 ただインパクトある表紙は読者候補を遠ざけてしまいそう。

死んだ人が死後立ち寄る役所を舞台にした話。 レギュラーの登場人物は役所の人々とくに総合案内係。 エピソードは、死んで役所を訪れることになった人を 描くことで展開していく。


「お客様は仏様ですから」というセリフは、 そこから話を発想したのかしらんと思う秀逸なもの。 エピソードも、いじめを受けての自殺、 他人を助けての死亡事故、虐待死の子供・・・このエピソードのみ 2話分使って綴られるが、そこで母をかばう子について、 「あれが愛ってのかいね?」という言葉に「いや/ただの洗脳でしょう」 と応える点も上手い。


一方で、諸刃の刃に見えるのは、役所職員の設定。 ある条件を満たすものだけが職員になる、 というのはこの手の話でありがちではあるが、 条件を設定したら必ずその伏線は回収しないといけないわけで。 物語の主旨がそこにあるのなら良いと思うが。


犯罪で死刑になった人物のエピソードもあり、死んだ理由 が様々な分、一冊読んでもだれるところがない。 オススメの本なのだけれど表紙がなぁ・・・。 まぁ実際、絵も気持ち悪いといえば気持ち悪い側面もあるので、 表紙である程度示しておくのは版元側の誠意なのかもしれないが・・・。


【データ】
あずみきし
死役所 (しやくしょ)
【発行元/発売元】新潮社 【レーベル】 【発行日】2014(平成26)年10月10日発行 ※紙書籍2014年4月発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
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お客様は仏様です。此岸と彼岸の境界に存在する、死役所。ここには、自殺、他殺、病死、事故死……すべての死者が訪れる。罪無き者は、天国へ。罪深き者は、地獄へ。あるいは――。“助けたこと、後悔してるんです。…こんなことを考えてる、自分が嫌で…”命を棄ててまで、守りたいものはありますか? 魂抉る死者との対話、待望の第1巻。



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