【オススメ】 野村宗弘/満月エンドロール

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満月エンドロール(上)

■【オススメ】スイートな話かと思っていたら、 ほろ苦どころか、苦すぎる。

飄々とした風に見えるのは著者のいつもどおり。 夢のなかの話か。青年が、彼女と来たかった、 と思ったところへ、その彼女が現れる。 夫婦であるらしい。


ふたりは共に、ふたりの過去をなぞっていく。 走馬灯の絵もあるので、つまりは、彼は死の淵にあるのか。 とはいえ詩的に、スイートに、過去を追うのかとおもいきや、 ちょいちょいその後の不幸を暗示するような 呟きが挟み込まれる。そうか、彼女は早逝したのか、 と思ったが。いや、それは 間違ってはいないのだけれど。


彼女の死から、話は、彼女の父母に派生していく。 彼女のことから離れることができずに生きてきた男の話を、 死んだ彼女とともに見つめる話。まさか、 こんな内容だとは思わなかったが、 著者の絵柄で展開されると適度にクッションがあって、 こういう話もそれなりに受け止められる。


相応に評価されるべきチャレンジングな作品である。 下巻同時発売。→満月エンドロール(下)


【データ】
野村宗弘 (のむらむねひろ)
満月エンドロール
【発行元/発売元】講談社 【レーベル】イブニングKC 【発行日】2014(平成26)年9月1日発行 ※電子版で購入
■評価→ B(佳作) ■続刊購入する?→★★★★★
■購入:
amazon→満月エンドロール(上)
子どもの頃、よく遊んだ場所で妻と二人きり。妻に見せたかった風景に囲まれながら、思い出話に花を咲かせる至福の時間。それはどこにでもある仲睦まじい夫婦の姿。でも、何かが変。ボタンを掛け違えたかのような違和感が…。「走馬灯の中で、これから一緒に暮らそう」妻の言った一言で、すべて理解ができた。なぜいるはずのない妻に出会えたのか。『とろける鉄工所』の野村宗弘が描く純粋な愛の物語。

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