【オススメ】 麻生みこと/ことのは

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ことのは (花とゆめコミックス)

■【オススメ】言葉を扱った短編4作。

2005年刊行の作品の電子化。 著者の作品なので、やはり好み。 10年ほど経ったいま読んでも面白いのは、 普遍的なテーマを扱っているから、でもある。


題名通り、言葉にまつわる短編。 最初は、先輩に惚れて書道部に入部したが、 おちゃらけた性格もあり、告白できなかったことから なにも進展しない後輩の話。しかしそれが文通話に発展して、 という展開はテーマをうまく扱っており見事。


続く話は、内容が水泳。そこに絡めるのが、鉄の女と 呼ばれる子。で、日記、という題材をもってきて、 テーマに沿ってまとめる。 3話めは、演劇部。女子ばかりのところに男子がひとり入部する。 脚本は部長のオリジナル、ということで言葉はがっつり。 最後は、文芸部。恥ずかしいポエムを詠むのが目的の集まりになっている。 そのポエムを拾った男子が絡んでいくお話。


設定が面白いというより、そこに何を加えていくか、 に面白さがあるのが著者の魅力であり、 長きにわたって佳作を送り出し続ける実力の源泉だろう。 話が面白く転がるためには、出だしの設定のママでは 無理で、何か変化が必要なわけだが、その変化をきちんと つけられる人は案外少ない。


白泉社で描いている作家さんは、 冒頭での設定の提出の仕方はピカイチで、 それはこの出版社の編集部の能力の高さを示していると思っているが、 そういう作家さんばかりなので、あとは、その後の 話の運び方に気を配れれば、上手なストーリーが出来上がる。 著者はまさにそうしたストーリーテリングの能力がある。 特に本作は連作短編集ということで、各篇は漫画のお手本、 教科書のような仕上がりである。


いや、 ちょいと転がし方が旨すぎるので、これを教科書にするには 難点があるかもしれない。 4篇めのラブレター話なんて、その展開には普通できない。 それができるところが、著者の上手さである。


【データ】
麻生みこと (あそうみこと)
ことのは
【発行元/発売元】白泉社 【レーベル】花とゆめCOMICS 【発行日】2013年12月1日デジタル版発行 ※電子版で購入
■評価→ A(絶品)
■購入:
amazon→ことのは (花とゆめコミックス)

高校の新入クラブ紹介で書道部の藤崎先輩に一目惚れした、ことは。入部しても告れないまま、やがて先輩は卒業し上海に留学していく。恋心を綴って送った筈の手紙はなぜか添削されて戻り、二人の奇妙な文通は続くが…!? 「言葉」をテーマに紡いだセンシティブ短編集!

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