大今良時/聲の形

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聲の形(1)

■内容も作り方も繊細。

無神経な人物を描くからには、細心の気遣いが必要だ。 本作はそうした手はずを踏んだ、と聞いたが、特に監修などの文字は入っていない。 どうせなら、つければいいのに、と一昔まえの人物が当時の常識のまま 作ったドラマが現代では非常識と言われてスポンサーが降りた事態と対比しながら思う。


とはいえ、この手の話の作り方は、個人的には嫌い。 ストレートに描く類の物語ではないだろう、と思うから。 話は、ガキ大将のような少年が主人公で、彼が周囲を巻き込んで色々とやっていたのだが、 そのリーダーシップは無神経と背中合わせ。その欠点が、耳の悪い少女が 転校してきたことで、悪い方向へと現れる。彼女はある意味厄介もので、 腫れ物にさわるような扱いだったのを、主人公は、彼女が問題なのだ、と考え、 いじりだす。当人はいじめのつもりではなく、それは他のクラスメイト に対する扱いと実は同じであったのだが。


その後、彼の彼女に対する扱いが明らかにされた。 それはクラスメイトもさして変わらなかったのだが、 主人公がスケープゴートにされる。そうして、 皆のいじめの対象は、彼に。そもそも粗暴というか無神経だっただけに、 それを特に気に留める者もいなかった。そして、その後の彼は、 一人で生きることになる。


話は、そうした過去をもった主人公が大人も手前の高校3年生になって、 人生の総決算をする覚悟を持って彼女に再会しようとするところが現在の時制である。 描こうとしている話をどこに持ってきているかは重要で、 この作品の焦点は、18歳時点にある。 過去は、そのための助走なわけで。


しかし、その話が微妙。いや、わかるし、こういう話の作り方はあるだろうけれど、 すっきりとしないというか。いじめていた者がいじめられる側に回る、 という構図は、実際にはあまりないわけで。そういう特殊な話として 組み立てたことはどうなのか。読んでいて気分の良い話でないのは 今のところ仕方ないし、やりたいことは理解できる気もするのだが・・・。 型にはまった作りの作品に、今のところ見えてしまう。


【データ】
大今良時 (おおいまよしとき)
聲の形 (こえのかたち)
【初出情報】週刊少年マガジン 2013年36・37合併号〜41号、マガジンスペシャル 2013年No.9 【発行元/発売元】講談社 【レーベル】講談社コミックス マガジン 【発行日】2013(平成25)年11月15日第1刷発行 【定価】429円+税
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
■購入: amazon→聲の形(1) , honto→honto電子書籍ストア - シリーズ:聲の形 大今良時(著) - マガジンコミックス , eBookJapan→聲の形 少年マンガ 大今良時 - 電子書籍・コミックはeBookJapan
【公式サイト】
お前なんかに出会わなきゃよかった。もう一度、会いたい。/耳の聞こえる少年・石田将也。耳の聞こえない転校生・西宮硝子。ふたりは運命的な出会いをし、そして、将也は硝子をいじめた。やがて、教室の犠牲者は硝子から将也へと移っていった。幾年の時を経て、将也は、 もう一度、硝子に会わなければいけないと強く思うようになっていた。作者・大今良時先生から】「点と点で生きている人たち。遠く、離れ離れの小島のように生きている人たちを描きたくて、この物語を描きました。みなさまに読んでいただければ、この上ない幸せです」
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