山本康人/競輪王ゼロ

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競輪王ゼロ(1) (ニチブンコミックス)

■復活に賭ける男がもがく競輪マンガ。

暑苦しく情けなく、しかしだからこそ男くさくて逆に格好良い、 そんな男を描く著者の新作は、競輪が舞台。 競輪マンガといえば今は石渡治「Odds GP」があるが、本作は出発点からして違う。


設定の説明に時間をかけずに早々にトップギアなのは、もたもたした話運びが許されない掲載誌の事情ゆえか。若きホープとしてタイトルを連取した時の人だった主人公は、3年後、かつての栄光の輝きが すっかり消え失せたナマクラと化していた。もともと練習嫌いの彼は、調子にのった絶頂時に最愛の女性を失い、その後酒浸りになり、クラスも転落。といってもいまだ上から3つめのS2にいる、というところが絶妙な設定である。


愛した人の忘れ形見である11歳の少女を引き取りシングルファーザー状態。だったらもっと頑張っても、と思うが、その頑張り方を知らない状態。しかし今がどん底。彼はもがき、自分の足らなさを自覚し、そして、そこから浮上する。一度頂点を極めた者の復活話なので、下から這い上がる物語とは違って実力があってまだ体力が衰えたわけではない年齢ゆえ再び坂を登っていく内容はすんなり受け入れやすい。ただし、その頂点の姿を同時代的に見たわけではない読者にとっては共感できる設定ではない。そこで、少女の設定を天才として、彼女が主人公に最適な練習方法やレース運びを伝授する、というギミックも用意している。


天使が奇跡を起こす話、なのだが、その奇跡が空から降ってくるものではなく、地獄を見て地べたをはって底を経験した者が、自らの覚悟と力でもって起こすものであるところが、著者らしく格好いい。


【データ】
山本康人 (やまもとやすひと)
競輪王ゼロ
【初出情報】週刊漫画ゴラク 2013年5月〜7月掲載分 【発行元/発売元】日本文芸社 【レーベル】NICHIBUN COMICS 【発行日】2013(平成25)年12月1日初版発行 【定価】590円+税
【掲載情報・次巻予告】2巻2014年1月末発売
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
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【公式サイト】
競輪王ゼロ 山本康人、渾身ッ!! ド迫力の筆致と圧倒的臨場感で描き出す、大人気競輪新シリーズ!!
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