【オススメ】 草間さかえ/迷信話集 うつつのほとり

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迷信話集 うつつのほとり(クロフネコミックス)

■【オススメ】こどもの純粋な思いは大抵、場を乱し関係を壊してしまう方向に話を進めてしまうのだけれど、この作品では、そういう使われ方はしなかった。そこが素晴らしい。

母親の療養のためか、連れ立って田舎に行くことになった良家のお坊ちゃん、敬。 当人は、友達いっぱい出来るといいな、と言っている。そんな彼にお手伝いさんの 孫が初対面で顔にぬっとウシガエルを出してくる。が、それは歓迎の印であり、 敬も目を輝かせて、本物だ!と言う次第。なので敬の田舎暮らしは、予想以上にすんなりと 始まる。


ではどう話を構成していくのかというと、山の寺にいるという天狗が、作品の中軸になる。 天狗だと言われる弥七、彼に出会った敬は、仲良くしたいと思う。しかし町の者はみな、 距離を置く。なので、密かに彼と会うのだったが、それもモヤモヤしてきた敬は、 弥七との友人づきあいをオープンにしたいと思うのだった。


寺の新しい和尚、そして、敬の母親が、最終的に突破口となり、話は理想的な方向に 転がっていく。こんな綺麗な話になるとは思わなかった。一方で、人間の嫌な面というのも 確かに描かれていて、天狗と差別する思想、そして母親の夫との仲と、田舎や権威主義な 社会の醜さはきちんと提示されている。その上で、田舎という閉鎖的な社会で、 その閉鎖性から自由な和尚と主人公の母が、解放の道筋をつける。そこに導いたのは、 自由な発想を持ち、しかも田舎に受け入れられた敬だった、という点は、 感慨深いものがある。


絵本のような、ジュブナイルのような話なのだが、 結末に至る展開はいろいろと考えさせられる。


【データ】
草間さかえ (くさまさかえ)
迷信話集 うつつのほとり
【初出情報】クロフネZERO 2008年Summer〜2012年Spring、特別編集号、 pixivコミック「クロフネZERO」2013年7月 【発行元/発売元】リブレ出版 【レーベル】クロフネコミックス 【発行日】2013(平成25)年9月10日第1刷発行 【定価】600円+税
■評価→ A(絶品)
■購入: amazon→迷信話集 うつつのほとり(クロフネコミックス) , honto→hontoネットストア - 迷信話集うつつのほとり (クロフネコミックス) 草間 さかえ - 本
【公式サイト】
東京から村へとやってきた敬は、田舎のならではの迷信や風習に目を輝かせる。敬の心を一際惹き付けたのは、寺に住む不思議な少年・弥七だった。周囲に馴染まず、孤独をまとっていたから。彼はもしかして化け狐?それとも天狗…? 迷信を解き明かすミニミステリー。クロフネコミックス「うつつのほとり」は、2013年9月10日発売予定!
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