中原開平/切り裂きウォルター

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切り裂きウォルター 1 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

■切り裂きジャック+シャーロック・ホームズの亜種。この2つの要素と 敢えて結びつけて展開したメリットとデメリットを考えると、後者のほうが 大きいような気がするのだが、どうだろう。

探偵のシャーロック・ホームズがワトソンと連れ立つところに、 少年が訪ねてくる。その少年はホームズに依頼したいことがあったようだが、 残念ながらその時間はなかった。探偵たちが繰り出した先は、 切り裂きジャックによる事件現場。事件を掴んだホームズは、 囮を使って犯人をおびき寄せたが、しかし、どうやら単なる人間では なさそうな犯人とともにテムズ川に落ちてしまう。


ホームズ不在のまま話は進み、子供嫌いのワトソンが、依頼にきた 少年の腕を見て、その鈎爪が切り裂きジャックと同じものだと気づく。 少年ウォルターが言うには、恩人の医師と暮らしていたが、ある日 恩人はいなくなり、左腕には自分のものでない何かが移植されていたのだと。 シャーロックが不在なのでワトソンは、真相究明のために、 シャーロックの兄であるマイクロフト・ホームズのもとを訪ねるのだった。


ホームズの世界観を借りつつ、切り裂きジャックも扱う話。その組み合わせ はよくあるもので今更感も漂う。そこに、切り裂きジャックの真相に ミュータント的なものを組み入れたところが新しい、というべきなのかもしれないが・・・ この話に、ホームズや切り裂きジャックって、必要なのだろうか?


あとがきにもあるようにホームズもののドラマや映画は相次いでいるが、 そのいずれもが、設定を逸脱して勝手に展開するが、ホームズという下書きがあるから 破綻はしない、その安全装置のためにホームズを利用している感がある。


他のフィクションの上に創作する二次創作ものは、別に悪くはないし、 著作権フリーのものはどんどん活用すべきだとは思うが、 安全装置というものは全体の足を引っ張るものでもある。 空に飛び立とうとする話を、地に足つけるためには良い装置かもしれないが、 宙に舞ったほうが自由になる話にとっては余計な重しでしかない。


新しい話を構築することを放棄して、古い話をもってきてその袋にワインを盛った、 それが本作であるように見える。フランケンシュタインなど様々な作品をマッシュアップして 新しい作品を作るのだ!ということであれば、それは現代的な作品の創造の仕方 かもしれないが、それはちょっと勿体無い構築の仕方では、と思うが どうだろう。


【データ】
中原開平 (なかはらかいへい)
切り裂きウォルター
【初出情報】ゲッサン 2013年4月号〜8月号 【発行元/発売元】小学館 【レーベル】ゲッサン少年サンデーコミックススペシャル 【発行日】2013(平成25)年9月17日初版第1刷発行 【定価】552円+税
【掲載情報・次巻予告】2巻2014年初頭発売
■評価→ C(標準) ■続刊購入する?→★★★
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【公式サイト】
霧の都・ロンドンを襲った不可思議かつ残忍な「切り裂き」事件。 真相究明に挑むは、巷で話題の、あの名探偵! そこから始まる、驚天動地の冒険奇譚!! 才気溢れるルーキー作家が挑むロマンティックミステリー巨編!!
小学館コミック -ゲッサンWEB-:作品紹介 切り裂きウォルター


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