【オススメ】 武田一義/さよならタマちゃん

さよならタマちゃん (イブニングKC).jpg
さよならタマちゃん (イブニングKC)

■【オススメ】経験者でないと描けない名作。

取材と想像力で描くのがフィクションであるが、 フィクションで描けることには限界がある。 一方で体験をそのまま描けば良いかというと、 その場合には何を語って何を語らないかという 取捨選択が大きな問題としてある。 エッセイ漫画は、フィクションを描ける人が 手がけるノンフィクションものとして、 自分を主人公とする分、最も描きやすいものには なるが、その場合も作者の性質によって 向く向かないが出てくる。


本作のような、闘病エッセイ漫画は、 主人公をどのように描くかが、非常に難しい。 中に入りこんで描くのか、突き放して描くのか。 その両者を混ぜあわせないと描けない部分も出てくる。 本作は、その問題を、その時点での主人公の 体調にあわせて、余裕のあるときは外に向き、 余裕のないきは内に向くという形で 処理した。それは、読み手を主人公に シンクロさせるにも適した手であると思う。


がんを発見し、抗がん剤治療を行い、病と闘った 本人にしか描けない思いがここにはある。 長い入院だからこそ知り合った人たち、 そしてその人達も合わせて描くことによって、 主人公とは違う道筋がいくつも提示される。 主人公本人にだけフォーカスした闘病ものだと 描けなかった要素も、他の患者でフォローされている。


後遺症もあり、過去に転移していた事実もある、 そういう厳しい状況のなかで、こうした作品を送り出し、 デビューできたというのは、それだけでも偉業である。 作品は、題名こそふざけているが、 内容は極めてマジメ。発病する人もいればしない人もいる。 助かる人もいるし、助からない人もいる。 その差はわからない。運でしかないかもしれない。 しかしその状況を踏まえて何ができるか。 今なにを選ぶか。この先どう生きるか。そのためには何をするか。 そうしたことを改めて考えさせられる一冊である。 書店ではがんや病気を扱う本の コーナーにも置いて展開すると、必要とする人に より届く本であると思う。



【データ】
武田一義 (たけだかずよし)
さよならタマちゃん
【初出情報】イブニング 2012年15号〜24号、2013年1号〜15号、17号 【発行元/発売元】講談社 【レーベル】イブニングKC-477 【発行日】2013(平成25)年8月23日第1刷発行 【定価】686円+税
■評価→ A(絶品)
■購入: amazon→さよならタマちゃん (イブニングKC) , honto→hontoネットストア - さよならタマちゃん (イブニングKC) 武田 一義 - 本
【公式サイト】
35歳漫画家アシスタントに突然襲いかかった病“精巣腫瘍”、いわゆる睾丸の癌。漫画家になる夢の前に立ちふさがった壁はあまりに大きすぎる。病を機に激変した生活を赤裸々に描く、リアル闘病記!
さよならタマちゃん 武田一義 - イブニング公式サイト - モアイ

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

search this site.

selected entries

categories

profile











ブックオフオンライン

チケットぴあ

WOWOW



fujisan.co.jpへ
/~\Fujisan.co.jpへ

日経エンタテインメント!
日経トレンディ (TRENDY)
LDK(エル・ディー・ケー)
MONOQLO(モノクロ)
家電批評
週刊ダイヤモンド
週刊東洋経済
宣伝会議
トッププロモーションズ販促会議
DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー
競馬最強の法則
競馬王

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM