ミリオンジョー(1)
■【オススメ】大ヒット漫画に携わる編集者とアシスタントの話・・・というと 面白く聞こえないが・・・。
世間を席巻する大ヒット漫画、「ミリオンジョー」。その作者は人嫌いの変人で、 なぜか若手の凡庸な編集者を担当に指名、他の人間とは会おうともしなかった。 たびたび、胸が痛い、と電話をしてくるが担当編集は無視。いままで何度も それで駆けつけたが、特にどうということもなかったから、だったのだが、 ある日、部屋へ向かうと、そこには倒れている先生が。脈を取ると、 既に死んでいた。
大ヒット作の漫画家が作品が未完成のままに死んでしまう。が、担当編集は 死を隠し、自分で続きを描こうとする、というのが本作の内容である。 そんな話ではあるが、主人公である編集者の動機は、金儲けでも名声でも 自己満足でもない。これだけの作品を、きちんと完結させてあげたい、 という気持ちから。そこが異色な設定である。
元漫画家志望であり、作家と同じ漫画が好きだったこともある。設定は作家が書き残したものがあり、結末もわかっている。そこで編集者はネームを切る。アシスタントはほぼすべてペン入れをしている状態だったので、絵が違うということもない。借金もあるアシスタントは、編集者の誘い水に乗ってくる。
死体の処理や影武者の問題もあって、主人公は同郷の後輩という人物を引き入れる。これはかなりヤバイ人物だが、主人公自身も相当肝が座っているので、いまのところは後輩は面白がって話に乗っかっている。ただ、いつでも自分が優位に立てるよう、切り札は握っている。影武者含めて、登場人物が多くなり、露見の心配も増すわけだが、本作のポイントはそこにはない。
なにが焦点かというと、当然、大ヒット漫画が作家本人なくして継続できるのか、というところである。ネームを切る、新キャラの絵を描く。しかし、それが本当に面白いのか、良くできているのか、当事者たちにはわからなくなっている。
編集者自身が作家が生きていた頃はちゃらんぽらんに対応していてボンクラだったという設定も含め、かなりスパイスの効いた内容である。
【データ】
原作=十口了至(とぐちりょうじ)、漫画=市丸いろは
(いちまるいろは)
ミリオンジョー
【初出情報】(電子版に記載なし)
【発行元/発売元】講談社
【レーベル】(モーニングKC)
【発行日】2013(平成25)年7月1日発行
【価格】525円
■評価→
B(佳作)
■続刊購入する?→★★★★
■購入:電子版は7/18に既にリリースされていました
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【公式サイト】
最新巻の初版部数が500万部を超えるなど、数々の記録を更新し続け、多くの人々に勇気・希望・興奮を与える少年漫画の金字塔『ミリオンジョー』。しかし読者のあずかり知らぬ所で、驚愕の事態が進行していた――。 “主”なき漫画が走り出す禁断のコミックサスペンス!ミリオンジョー 原作 十口了至 漫画 市丸いろは - モーニング公式サイト - モアイ