【オススメ】 柏木ハルコ/失恋日記

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失恋日記 (Feelコミックス)

■【オススメ】割りとヘビーな題材を、意外にさらっと仕上げた短編集。

タイトルと帯の惹句からして、すごいのか、せつないのか、と思いきや、 案外からっと仕上がっている短編集だった。


思いが強すぎてストーカー抑制薬 を飲むことを決めた女性、セクハラの影で色々なことを考えていた女性、 好きな人ができたと夫に告白される女性、初めて恋をした武闘派の女性、 身体でアプローチしてくる天真爛漫な女性、などがエピソードに出てくるが視点は 必ずしも女性側ではない。振り回す側も女性ではない例を含む、という 具合に語り口は色々。バリエーション豊富な内容になっている。


著者の作品の場合、エキセントリックに近い、芯が強いというより強情で融通が効かず猪突猛進なタイプの女性キャラクター、それに対して受け身というか振り回されるような男性キャラクター、という配置が多いように思うが、短編となると動く人物の動き方には限界があり、なのでさほど女性キャラのエキセントリックさは強くない。そこが、さらっとからっとして見える理由なのだろう。


しかし最後の作品とおまけページで何のこっちゃという感じになる短編集だが、その前の作品がさらっとキツイのでいい塩梅の構成か。空回りかげんとしては「初恋ガーディアン」が手頃で読後感も良い。とはいえやはり冒頭の「別れる」が、薬の力を借りるとはいえ、ひとつの恋が終わりそこにケリをつけたときの憑き物が落ちた感を上手く表現していて、最もユニークである。


なお、現在進行形の恋の話は女性視点である一方、既に終わった恋を過去に遡ってうだうだ振り返る話は男性視点であり、このあたり、過去の彼氏のことなど終わったものとする女性と、昔の彼女にも未練がある男性という、良く言われる性差を思うと、うまく反映しているなぁと思う。


【データ】
柏木ハルコ (かしわぎはるこ)
失恋日記
【初出情報】「別れる」フィール・ヤング 2010年12月号、「DIARY」ガールズジャンプ 2011年1月25日号(集英社)、「夫の片思い」フィール・ヤング 2012年6月号、「初恋ガーディアン」ガールズジャンプ 2012年3月1日号(集英社)、「裸のえろ」フィール・ヤング 2012年12月号、「憧れのブルマ」フィール・ヤング 2013年6月号 【発行元/発売元】祥伝社 【レーベル】FC 【発行日】2013(平成25)年5月15日初版第1刷発行 【定価】667円+税
■評価→ B(佳作)
■購入: amazon→失恋日記 (Feelコミックス) , honto→hontoネットストア - 失恋日記 柏木ハルコ恋愛短編集 (FC)_柏木 ハルコ - 本
【公式サイト】
女性誌に掲載されたレア傑作を完全網羅!! 柏木ハルコ恋愛短編集 圧倒的パワーと存在感で胸に迫る6作品を収録! ●別れる 「恋愛感情を抑制する」という薬。これを飲んで、愛する人と別れる覚悟を決めた彼女は…。 ●DIARY 唐突に訪れた婚約者の死。彼女が遺したノートをめくった恋人は、知らなかった「彼女」と対面する。 ●夫の片思い 結婚8年目に夫から告げられた衝撃の告白。「人の心は縛れない」と思っていたけれど…。 ●初恋ガーディアン 好きな人を守る力を下さい! 恋する乙女はいつだって全力疾走!! ●裸のえろ うらぶれた男の前に突然現れた「えろちゃん」。忘れられない不思議な出会い──。 ●憧れのブルマ 現代において、衰退の一途をたどる「ブルマ」。そんなブルマに隠された、壮大で重大な秘密…。
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