【オススメ】 冬川智子/深夜0時にこんばんは

深夜0時にこんばんは.jpg
深夜0時にこんばんは

■【オススメ】ラジオ局は、この作品を販促に使えばいいと思う。

深夜ラジオの番組を通して描くオムニバス連作短編。主な登場人物は3人。1人めは、何気なく聞いていて時計代わりにしているイラストレーター。彼女は好きな同業者がいるが、告白して振られている。でも友達付き合いは継続中という微妙な関係。2人めは、中学生男子。ハガキ職人を目指しているが、全く読まれたことがない。3人めは、主婦。旦那の帰りは終電で、娘はリビングに寄り付かない。夫を待つ深夜、たまたまつけたラジオを聞くことになる。


イラストレーターにとっては番組はさほど重要ではないが、小道具としては使われる。中学生男子にとっては、放送作家になるという遠い未来のため、そして天使と思って崇めている同級生に告白するという近い未来のために、投稿を読まれたいというより切実な願望がある。そして主婦にとっては、かつて学生時代に付き合っていた彼であり、過去を思い出し、今を嘆く材料でもあった。


結局皆が後悔しつつ、まぁ、なんとなく締まるという、結構、ぼやっとした、え?それで終わり?という話である。いや、一組のエピソードは、それでいいと思うのだ。「今は/これでいいのかもしれないと思った」というのは、とてもいい。その前に「そんなに幸せじゃないけど」とつくところは、リアルでシビアだが、いや、そんなものだろう。夢は、破れるためにある。しかし、夢を達成した、あるいはしつつあるらしい存在として、劇団主宰であるラジオパーソナリティがいるわけで、その対比も残酷といえば残酷ではある。


そんなわけで、ぼんやりしつつもビターな話。深夜に読むにはちと重い。なのでラジオでもつけて気分転換するのが良いだろう。ということで、ラジオの深夜番組は、この作品を取り上げると良いと思うのだ。


著者の好きなラジオ番組はあとがきによると大沢悠里のゆうゆうワイド・・・いや、あの、この作品書いといてそれですか・・・。私はラジオで育ちまして小中学生を音楽チャートマニアとして過ごし吉田照美のてるてるワイドから三宅裕司のヤングパラダイスを聞いて深夜はミスDJで週末はさだまさしのセイヤング、という感じでしたが、その後はさっぱりAMラジオ聞かなくなりました。ラジオもない環境ですが今はRadikoで聞ける時代。たまには聞いてみようと思いつつ、ラジオNIKKEIの競馬中継しかRadikoの出番はなかったりします。あ、いけない、そんなことより、著者の2月に出た「彼氏が4年おりません。 」まだ読んでないや・・・。


【データ】
冬川智子 (ふゆかわともこ)
深夜0時にこんばんは (しんやれいじにこんばんは)
【初出情報】(ぽこぽこ) 【発行元/発売元】太田出版 【レーベル】− 【発行日】2013(平成25)年4月30日第1刷発行 【定価】743円+税
■評価→ B(佳作)
■購入
【紙の本】
amazon→深夜0時にこんばんは
honto→hontoネットストア - 深夜0時にこんばんは 冬川 智子 - 本
【公式サイト】
深夜0時にAMから流れるラジオ番組「ミネラル・ラジオ」。 イラストレーターのカホ/中学生のアキラ/主婦の由美、ラジオの向こうにそれぞれの生活がある。 新鋭・冬川智子が描く、ラジオにまつわるオムニバス。 コミックスは4月4日発売!
深夜0時にこんばんは - コミック ぽこぽこ
■当サイトの著者他作品レビュー
【オススメ】 冬川智子/マスタード・チョコレート
冬川智子/いとしのこけし
■著者の作品@amazon→ 冬川智子


search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM