【オススメ】 逢坂みえこ/プロチチ

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プロチチ(1) (イブニングKC)

■【オススメ】 家事ものか、専業主夫ものか、 と思うとそのとおりなのだが、 設定に一捻りあり、これは唸る。

赤子である息子が泣く中、妻は産休明けで出勤していく。 子供の面倒を見るのは、夫。


無職な夫が専業主夫として子供の面倒を見る、 という話。これだけでは単なる育児ものである。 いや、それもそれで面白そうではある。 が、エピソードに依存する設計である。 この物語は、もう一捻り。


夫は、計画通りに行かないと不安になるタイプ。予定通りに ことを運びたい。が、相手は赤ん坊である。不安になると、 過去が頭を駆け巡る。悪い連想、つらい思い出。 付き合いの悪い奴、として噂される自分。そのとき、 病気なんじゃないか、と言われたことを思い出す。発達障害、 アスペルガー症候群・・・


そんな設定に据えて、しかもいい年になり、子供も出来てから気づく− というのは漫画のようだが、いやしかし、ある程度普通に暮らせてしまう レベルの人は、後でああそうだったのかと自覚することもあるのだろう。 この設定が、子供に専念せざるをえない時期の子育てには、 巧くはまっている。この、ある種の病気を扱うにあたり、 上手な取り上げ方をしている点、センセーショナルに仕立てる 作品と違い、志が高い。


単行本を読む上では単なるメリハリにすぎないが、連載では第一話で 主人公がアスペルガーらしきことに自覚し、次の第二話ではそれを 喜びと驚きをもって妻に伝えつつ、自分が良い夫ではないのではないか、 と今度は不安になり、そこを妻がかき消すという流れ、そのなかで 馴れ初めも見せて、最後は幸せな思い出で頭を満たして締める。 この、第1、2話の構成はとても気を遣ったもので、見事である。


子育てってすごいなあと思わせる作品は多々あるわけだが、 そうは言ってもどこか著者に寄ったりあるいは遠く突き放しすぎたりして 距離感の難しい題材である中、この作品は主人公の設定のおかげで、 一風変わったポジションから描くことに成功している。 そして、子育てノウハウ的なものも、主人公の設定ゆえ、 作品にごくごく自然に取り入れることも出来る。


■続刊購入する?→ 【絶対買う】
評価:A
評価は、A:傑作、B:佳作、C:無印、D:薦めない

【データ】
逢坂みえこ (おうさかみえこ)
プロチチ
プロチチ(1) (イブニングKC) (amazon)/ プロチチ 1 (bk1) 】
■著者の他作品(過去記事)
逢坂みえこ/木村くんは男友だち
逢坂みえこ/たまちゃんハウス
永遠の野原」「ベル・エポック」「火消し屋小町」「たまちゃんハウス」  「育児なし日記」「木村くんは男友達」など、多彩なストーリーで魅了する 逢坂氏による本格男性育児マンガ。徳田直は、生真面目でこだわりだした ら止まらない性格。対人関係でトラブルの多い直は、現在無職。 専業主夫として息子太郎の育児に専念。当初、自らの立場に戸惑い悩んでいたが、  「プロの父親」として育児する事を仕事と捉え、これまでにない感覚が目覚め ていく。読んで育児イメージトレーニング!少子化に喘ぐ日本の救世主は 父親!!
イブニング|プロチチ|作品紹介|講談社コミックプラス
【初出情報】イブニング 2011年10号〜15号、17号〜19号 【発行元/発売元】講談社 【レーベル】イブニングKC-390 【発行日】2011(平成23)年11月22日第1刷発行 【定価】562円+税



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