【オススメ】 東百道、片山ユキヲ/花もて語れ

花もて語れ 1 (ビッグコミックス)
花もて語れ 1 (ビッグコミックス)

■ 【オススメ】 引っ込み思案で声も小さくおどおどしているヒロインは、 朗読に出会う。熱い朗読の物語。

転校生で誰ともしゃべれず、友達もいなかった 少女。彼女は教育実習に来るはずだった先生と出会ったことが きっかけで、朗読が自分に向いていることを知る。 折しも学校の学芸会で、ナレーション役が回ってきた。 それまで人前でしゃべったことのないヒロインに 果たしてそれが出来るのか。本番、大勢のお客さんを 見て固まってしまったヒロインだったが、 実習の先生の顔を発見し、落ち着きを取り戻す。


伝えたい気持ちがあればきっと伝わる、 ということがテーマ。ただヒロインは自分自身それがなんだか分かっていない。 しかしそれは他人の目、他人の気持ちを気にしすぎるということ。 そんな彼女に、他者の心を読むことである朗読は向いていた。 とはいえ、小学校時代の成功体験は思い出として過去となり、 その後は朗読力を発揮する機会もなく、 彼女は社会人に。しかし入社早々に失敗を重ねてしまう。


社交性のほぼない彼女がよく面接とおって就職できたな、 とその設定にひっかかるが、その後彼女は朗読の会に出会い、 その場で朗読のプロに自分の能力を見出されるという展開 で、そこから話は勢いがついていく。


朗読の場面は音声のない紙媒体では表現力が問われるが、 それを 物語世界に入り込んだ絵で描くことで読み手を引きこむ ことに成功している。その朗読も、読み手あるいは聞き手の 人生、生活とクロスオーバーする形となっており、 物語として上手に機能させている。


朗読場面はなかなかに熱く必見。 黙読では素通りできることも、声に出して読むとなると 途端に難しくなり、状況の把握と理解が求められる、 という点は納得。コミュニケーションが重要であるならば、 黙読や速読よりも音読、読み聞かせというほうが 国語という授業では重視されるべきなのかもしれないなぁ、 と思いもした。


物語全体の設定はゆるく、 もう少し丁寧に構築すればさらに良かったのにと思う部分もあるが、 朗読をフィーチャーした点は 面白い。「ドラゴン桜」的なものにすべきなのかどうか、 どうするのが味が生きるのか難しいが、 題材の目の付け所はなかなか良いのでは。前作「 空色動画 」同様、爽やかな作品に仕上がっている。


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【データ】
片山ユキヲ(かたやまゆきを)、朗読協力・朗読原案=東百道 (ひがしももじ)
花もて語れ
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■著者の他作品(過去記事)
片山ユキヲ/空色動画
【帯】 声優・歌手朗読劇にも出演 坂本真綾 さん大推薦!! 朗読の魅力は人間の声に宿る不思議なエネルギー。 声はひとりひとりみんな違う。 声には色や、匂いや、重さがある。そして力がある。 自分の声が好きでも嫌いでも、誰もが世界にひとつの 特別な声の持ち主なんだ。読みながら、改めてそんなふうに思いました。  坂本真綾

【裏表紙】 声に出して本を読む。それは、本が持つ本当の面白さと出会うこと。 声が小さな佐倉ハナが、「朗読」の大きな魅力と出会う、 癒し系で熱血な物語。
掲載=月刊!スピリッツ 2010年3月号、6月号〜9月号

小学館
ビッグ スピリッツ コミックス スペシャル
2010(平成22)年10月5日初版第1刷発行
定価=543円+税



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