【オススメ】 野島伸司、タアモ/スヌスムムリクの恋人
スヌスムムリクの恋人 / 上 (フラワーコミックス)
■ 【オススメ】 野島伸司のセンセーショナルでエキセントリックな要素が タアモの絵柄で中和されており、野島ドラマ作品が 合わないという人にはその食わず嫌い解消に最適。 タアモファンにも違った魅力が垣間見えてオススメ。
仲良しの4人組がそれぞれ結婚し、近所に家をつくり、同時期に コドモもつくった、という考えて見れば気持ち悪い設定の話。 ファンタジーと思って読むべきだろう。そこでうまれた4人の子ども のうち遅く生まれた(というか早生まれと表現すべきか)で身体も弱い 子はみんなのアイドル。皆が女の子と認識していた、というのも 訳が分からないのだが、それなりの年齢になってから彼が男の子だと 気づいたと言う話は、その後の性同一障害ネタの伏線なのだろう。
ドラマ畑で脚本を書いてきたひとの話というのは正直小説として しんどい設定や会話が多く、そしてマンガの場合は 小説以上に設定や会話の良し悪しが目に付くメディアなので、 上記のような粗い設定では本来コメディにしかなりえない。 ただそこを、著者の絵柄と雰囲気がカバーして、 優しいファンタジーに置き換えている。
その後続く話は正直小説で読んだら投げ捨てそうな内容である。 が、かわいい絵柄で展開する話は上手いことバランスをとっており、 読み手を包み込む。なかでは主人公のキャラクターがリアルで、 人間らしい逡巡を見せるところがいい。逆にそれ以外のキャラクターは まったくリアルではない。ただそれは主人公を際立たせるためであるので、 これはこれで良いのだろう。ただしこれはドラマ畑で賞賛されてきた 脚本家の描く作品で、ソレ以上のものではないという評価になるだろう、 ここで他のキャラクターにどこまで命を通わせるか、が本来 この手の作品の勝負どころであるはずだから。
途中途中に現代時制のエピソードが挿し込まれる総集編的構成も 面倒くさい。なぜこう話の流れをぶったぎる構成をするのか。 素直にまっすぐ進めても別に構わない話だろうに。 などと思いつつ、上下巻同時発売の下巻まで一気に読んだ。 タアモ作品なので同時買い、そこで原作ものか、 野島伸司か、と気づいてテンションが落ちていたのだが、 いや、まあ見事にまとめている。しかし、ヒゲのある男 というのが苦手なのかと思うくらいまったく魅力的でなく 上手くない絵なのだが、そもそもヒゲを描くのを忘れていた らしいから描けないってわけではないのだろう。
下巻の終わり方も綺麗で後味も良い。
2巻まとめて買うことをオススメする。
→スヌスムムリクの恋人
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【データ】
タアモ、原作=野島伸司 (のじましんじ)
スヌスムムリクの恋人
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■著者の他作品(過去記事)
タアモ/ライフル少女
【帯】 僕の大切な幼なじみは、性同一性障害だった。 原作野島伸司×漫画タアモ奇跡のコラボ 超ヒットメーカーの話題沸騰小説を、実力派作家が鋭い感性でコミック化!掲載=デラックスベツコミ 2009年初夏の超!特大号、夏の超!特大号、 初秋の超!特大号
【裏表紙】 見た目は女の子、でも体は男の子。「性同一性障害」のノノが恋をしたのは幼なじみの直紀。幸せになりたい、願うのはそれだけなのに!? 野坂望、通称ノノは、直紀、清人、哲也と幼なじみの仲良し4人組。みんなノノが大好きで、ノノのことをホントに大切に思っていた。でもノノにはみんなに言えない秘密が・・・!?−性同一性障害−体は男の子でも女の子の心を持ったノノ。その事実が明らかになった時、4人の関係に変化が訪れて・・・!?野島伸司の大ヒット小説を完全まんが化した話題作!!
小学館
ベツコミフラワーコミックス
2010(平成22)年3月3日初版第1刷発行
定価=400円+税











