【オススメ】 吉富昭仁/地球の放課後

地球の放課後 1 (チャンピオンREDコミックス)
■ 【オススメ】 良い終末を− 人類が殆ど消えた中で暮らす 4人の物語。
女の子3人に、男の子が1人。人が順々に消えて行った世界で 残ったのはこの4人だけ。他にもいるのかもしれないが、 今は探す術もない。そして4人がであってから、 既に一年が経った。でも少年は信じている。 いずれ消えた人々も出てくる。今は長い放課後なのだと。
人が消えてしまう物語は多いが、この作品ではファントムという物体が 徐々に人を消して行くところが独創的。これが別に食べるというわけではなくて空間を切り刻むかのようにして人を飲み込んでいくので、パニックものではなくSFっぽさが前面に出ている。一方、話は4人まで減ってしまったところから 始まっている。そうやって話をシンプルにしているところが著者のうまさである。
登場人物が少ない分、物語の展開はその少ない人数で回さなければいけない。特に今回は登場人物をむやみに出せない、人のいなくなった未来という設定である。しかしそこで無理してドラマを作らないというアプローチは、普通の神経ではなかなか難しい。が、誰も焦らずテンパらずというキャラクターは、一年を既に経過している共同生活という点もあるのだろうが、人を食っていてなかなか良い。特に少年は落ち着いており自力で暮らすだけの落ち着きもあり、しかしいなくなった人々が戻ってくるとも信じている 。また、他にも生き残りがいるだろうと考えている。そうした、閉塞するだけの世界でないと思っている点で、孤島のサバイバルものとは違う明るさが控えている。
著者の作品なのでエロチックな要素はないでもなく、おっぱいだのなんだのと騒いでいるが、とはいえ唯一の男子がそういう方向から一歩引いているので読者サービス以上の展開はナシ。よくよく考えてみれば、一年もそういう状況なのか、できた少年だなぁ、と思うが、その辺の色気方面を無色にして、余計な要素を脱色したのは、ありきたりなパニックものから一線を画すに適切な判断である。
姿を見なかったファントムが再び登場し、また時空の歪みも発生して、SFとして本気で展開していく様子が垣間見える。今後に期待して続刊を待ちたい。
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【データ】
吉富昭仁 (よしとみあきひと)
地球の放課後 (ちきゅうのほうかご)
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■著者の他作品(過去記事)
吉富昭仁/BLUE DROP〜天使の僕ら〜
吉富昭仁/ツレビト
吉富昭仁/GATE RUNNER
【帯】 人類の消えた世界で、のびやかに、地球で、4人きり!!ゆるやかに生き抜く4人の少年少女。「RAY」「BLUE DROP」の巨匠が描く、日常系終末ストーリー!掲載=チャンピオンRED 2009年9月号〜2010年2月号
【裏表紙】寂しくなんてない。君がいてくれるから−! 謎の現象"ファントム"により人類が消えた 地球。そこに生きる、4人の少年少女たち−!巨匠が描く、日常系終末ストーリー開幕!
秋田書店
チャンピオンREDコミックス
2010(平成22)年3月5日初版発行
定価=552円+税











