楠りんか/白黒奇譚

白黒奇譚 1 (Gファンタジーコミックス)
■ タブーのある町を舞台にした、閉ざされたダークファンタジー。
刑事であった父が亡くなった。死後、父から送られてきた郵便物には、 カードが一枚。それが父の死の真相に繋がる手がかりだと考えた彼女は、 父が最後にいた町へと住み替える。気持ちの悪い黒い時計塔について 訝しむ彼女だったが、学校のクラスメイトはその話を持ち出すと 逃げるように話題をかえる。さらに、彼女の持つカードには 何か重大なヒミツがあるようで、そのため彼女は狙われる−。
父から彼女に託されたカード、マリスを巡って戦いが起こる ダークファンタジー。ヒロインは真相を知らず、 また彼女自身が闘うわけではない。巻き込まれ型だが、 何がどういうことなのかを彼女ははっきりと理解しておらず、 作中でも詳しくはまだ描かれず、つまり読者も なんだかわからないけれども何か起きている 、という状態のまま手探りで読んで行く状況にある。
後見人もはっきりしていなそうな未成年のヒロインが 引っ越しまでするという非現実的な状況があるが、 これが現実的な話であれば引っかかるところ、 この話はリアリティを欠如した世界に閉じて行く 内容なので、そのあたりは気にならない。 一方でこのレーベル・掲載誌らしい狭い話で、 雰囲気に乗れないと全くもって乗り遅れたままになる。
中途半端なギャグや絵崩しといった 同人誌的なサービスと言うか照れ隠しというか 楽屋落ちはないので、その分、空気感は統一されており、 雰囲気にどっぷりとつかれる作品にはなっている。
【データ】
楠りんか (くすりんか)
白黒奇譚 (モノクロきたん)
【 アマゾンで購入 : 白黒奇譚 1 (Gファンタジーコミックス)
【帯】 悪意は肉を抉り血を啜る。 新鋭楠りんかが描くダークファンタジー掲載=月刊Gファンタジー 平成21年3月号〜5月号、7月号、9月号、12月号
【裏表紙】 突然の父の死。事故死か、殺人かは不明。紅花りり子のもとに残されたのは死の直前の父が投函したと思われる白と黒の格子が描かれた一枚の札。 消印に記された町、神ノ代は刑事であった父が生前何度も訪れていたという。 もはや家族はいない。りり子は、黒き塔の聳える其の町へと向かう。
スクウェア・エニックス
G FANTASY COMICS
2010(平成22)年1月27日初版発行
定価=571円+税











