木崎拓史/カイタン

カイタン 1
カイタン 1

■ ホスト失格の男が裏方の仕事に回る。

呼び込みをすれば道行く女性にボーイ扱いされ、あんな男相手に金払う気なんてしないなどと言われてしまう主人公はホスト歴2年。しかし、売上は全く上がらず。センスがない、向いてない、といわれる中、誰より長い時間街頭に出て、プライドも捨て後輩のヘルプもやった。誰よりも努力しているつもりだった。しかし社長からは、努力は認めるがこの世界で評価されるのは結果だけだ、何のためにホストになったのか良く考えてみろ、と通告される。それは辞めろということか?見てろよ、と誓った彼は翌日行動に出るのだが−。


ホストとしてあがくが芽の出ない主人公に与えられた新しい仕事は、 回収担当。ホストが売り掛け、焦げ付いた分を取りに行くものだった。 ホストクラブの裏側を描く物語。


主人公が良くも悪くも素直で素朴。そんな設定であるので、 ホスト界や店の状況を読者に伝える目の役割も果たす。 2年働いて裏事情に無頓着というのも無茶があるが、 うだつのあがらないホストぶりを考えれば自然ではある。 努力しても甲斐がないというキャラクターは閉塞する時代にも合い、 しかしそれは努力する場所や方向が違うのであって自分にあった場所や 方向を見つけていないことではないかという示唆もある。 実際主人公は腕っ節は強そうだ。


登場人物も、社長やナンバーワンに関しては本心が見えるような見えないようなグレーなまま存在感を出し際立たせておいて、他の主要人物を順々に出して周りを固めて行く。この進め方、人物の出し入れが上手い。キャラクターを描き分けられていたとしても、人物を大勢出せば画面は重くなり物語の進行は遅くなる。これを人物をばらして順次に出して行くことで、物語の流れはスムーズになる。単行本派には関係ないが、雑誌連載という観点からも新キャラクターが順次投入されていくのは良いことだろう。


絵については表紙の域を出ず、第一話は特にしんどいが、そうはいっても単行本で読む場合には勢いがついて200ページほどを一気に読むので、気にならなくなる。絵に関しては殆どの作品において、特に週刊誌連載の場合、毎週小刻みなページ数を他のマンガと共に見る雑誌派の感想は単行本は参考にしなくてよいだろう。雑誌よりも小型である単行本の場合は、上手い下手ではなく、画面構成と描き込みの密度による読みやすいか否かのほうが気になる項目である。


【データ】
木崎拓史 (きざきたくし)
カイタン
【 アマゾンで購入 : カイタン 1 , ビーケーワンで購入 : カイタン 1 ヤンマガKC
【帯】 陰謀うずまくホストクラブ!金を稼ぐのも命がけ!!最新最強ホストコミック登場!!!

【裏表紙】 埼玉県さいたま市にあるホストクラブ「CLUB Face」。ホストとしての戦力外通告を受けた主人公・朝倉仁が与えられた新たな任務は意外なものだった!!
掲載=ヤングマガジン 2009年44号〜50号

講談社
ヤンマガKC
2010(平成22)年1月6日第1刷発行
定価=552円+税



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