和田竜、坂ノ睦/忍びの国

忍びの国 1 (少年サンデーコミックス)
忍びの国 1 (少年サンデーコミックス)

■ 主人公は忍びの世界にいながら、人としての心を持ってしまった。

群雄割拠のなか、忍び同士で戦うことに疑問をいだいていた忍がいた。 肉親が殺されても何の感情も抱かず、目の前のカネのために 戦うことに違和感を抱いた彼は、ひとり行動を別にする。 一方、カネを求めて別扱いの立場を得た者も。彼がカネにこだわり、 しかし他国の主君に仕えようとしないのは、愛する者のため。 そうした外れ者たちを抱えつつ、仲間内で殺し合いを行う 首脳たちには、実は確固たる考えがあった。


戦国時代という現代と違う環境のなかに、 現代的なセンチメンタリズムを持ち込んで投影した 物語。ただ、その手の話と違うのは、おそらくこの 作品では意図的に現代人的感情を物語に放り込むことで 反応を起こさせようとしているところだろう。


勢いで読ませる作品なので、この一巻の段階では、実は中途半端であり、 話が転がりかけたところで終わってしまう。面白い−と言いたいが、 先に述べたように、現代人の感覚とは違う感情によって支配されている時代であり、現代人的感情を持つ人物はじりじりとした立場にいる。そうした、あまり心地のよくない話ゆえ、一気呵成に読ませるのが肝であり、しかしそれを中途半端な形で提示されてもなかなかシンドイものがある。


そうした漫画を読むことを苦としない人も多いようでヒット作も多々あるが、実際は一巻本の小説なりあるいは映画なりで、見始めたら終わりまで通貫できるメディア向きの内容だろう。数巻まとまったところあるいは完結したところで読むほうがオススメである。


【データ】
原作=和田竜(わだりょう)、作画=坂ノ睦 (ばんのむつみ)
忍びの国 (しのびのくに)
【 アマゾンで購入 : 忍びの国 1 (少年サンデーコミックス) , ビーケーワンで購入 : 忍びの国 1 少年サンデーコミックス
■著者の他作品(過去記事)
和田竜、花咲アキラ/のぼうの城
【帯】 こいつら人間じゃねぇ!! でも、まともな美女もいます。

【裏表紙】 この者どもは−人間ではない。 人を想わず、殺戮を愛し、己の欲のみに従い、生きた者たち・・・伊賀という秘蔵の地に潜む“伊賀忍”。時は戦国−忍びの郷で、最強と称される男・無門と、天下を狙う織田軍団の、壮絶なる−対決の物語。
掲載=ゲッサン 2009年6月号〜9月号

小学館
ゲッサン少年サンデーコミックス
2009(平成21)年12月17日初版第1刷発行
定価=438円+税



search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM