四位晴果/よしとおさま!

よしとおさま! 1 (少年サンデーコミックス)
よしとおさま! 1 (少年サンデーコミックス)

■ 天涯孤独と思っていた主人公のもとに、 お庭番がやってくる−

主人公は母を12の時に亡くした。きっとお父さんが迎えに来るから、 と言い遺したが、愛人の子で隠し子である主人公のもとに来る はずもなく、その言葉を気休めとしか思っていなかった。 施設にはソリがあわずに脱走、株のトレードで乗り切り、高校は首席で合格、奨学金をもらって通うというサバイバルを送っている彼のもとへ、 ひとりの少年がやってくる。彼は、父親が遣わした、主人公を守るためのお庭番だった。


お庭番が来るが、彼にまとわりつかれることを良しとしない主人公は、なんとか彼を遠ざけたいと画策する、押しかけ女房的なスラップスティック・コメディ。忍者な格好をしたお庭番、ということだが、別に時代錯誤だの歴史的な背景はない様子。世界でも指折りの大企業の会長が父親で、そのただ一人の相続人が主人公なのだという設定らしい。でもなんでただ一人の相続人なのに父親は名乗らないし近寄らなかったのか?というとこの辺は、財産がらみのゴタゴタから引き離すためといった理由か。しかし事態が変わってしまったがために、身辺を守るものをよこしたという展開の様子。だったら引き取れば、とも思うが、今更はいそうですかとはいかないか。そう考えると設定自体はまぁムチャクチャというわけでもない。


主人公のおかれた状況ゆえに、彼の命を狙うものが続々登場、しかしそれでも主人公はそうした窮地を切り抜ける。そうした話なのだが周囲のキャラクターが妙な人物ばかりでエッジが立ちすぎている。そこまで変にするなら主人公はまっとうな人物にして変人に振り回される設定の方がスマートだったかもしれない。


また、毎度暴走するドタバタギャグは頑張って作られているが、なんとなしの違和感がある。主人公の望む生活が後ろ向きなものであるので、彼の行動に読み手がイマイチ共感できないところだろうか。主人公の気持ちとして父親に今更助けて欲しくないとか財産なんていらないというのはわかるが、父親が助けてくれる、という母親の遺言が正しいものだったとわかった時点で、もっと素直になってもよさそうなものではないか。使えるものは使う、というあり方が正しそうな主人公の考え方と、お庭番を拒絶する彼の反応とが、どうもしっくりこない。とはいえ、そういうことを気にしないのであれば楽しめるコメディに仕上がってはいる。 カバー外すとおまけアリ。


【データ】
四位晴果 (しいはるか)
よしとおさま!
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■著者の他作品(過去記事)
四位晴果/メテオド
【帯】 お守りいたしまくりますぞっ!

【裏表紙】 この身に代えてお守りします! 天涯孤独な高校生・藤善透。父さんはいない。母さんは死んでしまった。でも強く元気に前向きに、めちゃめちゃハングリーに生きている!!なのに突然、何者かに命を狙われるハメに・・・!?そこに現れたのが、善透を守るべく遣わされた平成のお庭番・渋谷サビ丸!!「善透さまは一人にあらず!」おしかけ迷惑お庭番コメディー第1巻、始まり始まり〜!!
掲載=ゲッサン 2009年6月号〜10月号、6月号別冊付録1掲載作品

小学館
ゲッサン少年サンデーコミックス
2009(平成21)年12月17日初版第1刷発行
定価=438円+税



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