【オススメ】 市川春子/虫と歌 市川春子作品集

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)
虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

■ 【オススメ】 高野文子の『絶対安全剃刀』や、あるいは大島弓子の角川あすかコミックス作品、そのあたりの雰囲気を持った短編集。

各所で絶賛されているらしい。確かにこの内容は特定の層は狂喜するだろう。


表題作は、家族、というか兄弟の話。ただ、この家の主である兄は特殊な仕事をしている。昆虫の設計図を引き、プレゼン用モデルをつくる。さらにその、 新種なんだか珍種なんだかの昆虫も、生み出しているらしい。そんな家に、 羽の生え、触覚もある、人型の昆虫がやってくる−兄が昔つくり実験に失敗して海に沈めた、昆虫だった。 そんな特殊な設定を用意して語るのは、それでも、家族の話であった。


表題作に限らず、全4話の短編はすべてこうした突飛な設定を持ち出してくる。その奇妙な味を前面に押しだし暴走ぎみに走らせるが、しかし、話としてはきちんとケリをつける。読んでいる者は、ついていけさえすれば、納得できる物語になっている。


人間でないものが人間の形をとり、人間の生活に、そして心に溶け込んでいく。人間でないからこそ出来る表現を使うことで、人間の思いや悲しみ切なさを投影する。特殊な話にこの絵はぴたりと合う。


【データ】
市川春子 (いちかわはるこ)
虫と歌 市川春子作品集 (むしとうた)
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【帯】 ヒト、虫、植物、星・・・生命の繋がりを深く軽やかに描く新しい才能!! 待望の作品集!

月刊『アフタヌーン』にて掲載の度に反響拡大。深くてフシギ、珠玉の4編を収録。 『星の恋人』僕の妹は、僕の指から産まれた。妹への感情は兄妹愛のそれを超え、「ひとつになりたい」と願うようになった−。  『ヴァイオライト』飛行機墜落事故で奇跡的に生存した大輪未来と天野すみれ。互いに助け合う二人に、意外な形で別れの時は来る。  『日下兄妹』肩の故障で野球部を離れた雪輝。日々“成長”を続けるヒナとの出会いによって、彼が見つけたものは−。 『虫と歌』3人の兄妹が暮らす家に夜の闖入者、それは虫であり弟であった。共同生活を始めた彼と兄妹たちの距離は少しずつ縮まり、そして−。
掲載=「星の恋人」アフタヌーン 2007年12月号、「ヴァイオライト」同2008年7月号、「日下兄妹」同2009年12月号、「虫と歌」同2006年10月号、「ひみつ」描きおろし

講談社
アフタヌーンKC
2009(平成21)年11月20日第1刷発行
定価=571円+税



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