田中靖規/鍵人−カギジン−

鍵人-カギジン 上 (ジャンプコミックス)
■ お尋ね者の罪人は、追っ手だった女性少佐とともに、帝国を牛耳る 者に戦いを挑む。
帝国の女性少佐は脱獄した死刑囚を抹殺する命を受けた。 しかし彼女は砂嵐にあい遭難。そんな彼女を助けたのは、 まさに探していたお尋ね者だった。彼の容疑はでっちあげ、 そこまでして帝国が彼を探すのは、人体実験により 開発された類まれなる力を持つ「鍵人」のひとりだから。 逃げ出した彼のために出された追っ手だが、 帝国を牛耳る議長と反目している少佐自身も、 密かに始末されることになっていた。 それを知った少佐は帝国を真の姿に戻すため、 議長に戦いを挑む。そしてお尋ね者である主人公も 同行することに。
直近で読んだ「 FIRE FIRE FIRE 」同様SF的な作品、ということで比べてみてしまうが、 こちらは設定がきっちりしており、出来栄えの差は明確。 主人公の設定は明確で、その力は強大な一方、 いつでも使えるわけではないという弱点も明示している。 彼と同行することになるヒロインは、もともと彼を追う立場から、 一転して共に行動することになるという流れ、その理由も明確である。 世界の設定は現代と大きく違うが、差異は小出しにして 複数を集中させていない。架空の設定をうまく散らし、 物語を読み進めるうえで邪魔にならないような配置にしている。
こうした心配りによって物語は非常に読みやすく、 またできも良いのだが、一方で、話はよくまとまっているがゆえに そのありきたりかげんが目立つ結果にもなっている。 人造人間的「兵器」人間と、清廉な心をもち国を愛し憂うがゆえに国をかえようとする軍人とによるバディもの、といった物語は漫画として珍しい題材ではなく、そのうえ物語の構成は比較的シンプルなので、よくある話、という見方を避けられない。それでも出来がよいだけに、 ありがち、の一言で片付けるのは勿体ないのだが、 しかし出来がよい分逆に小さくまとまった印象を与えてしまったのかもしれない。
【データ】
田中靖規 (たなかやすき)
鍵人−カギジン−
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■著者の他作品(過去記事)
田中靖規/瞳のカトブレパス
【帯】 “かつて人は魔法の「鍵」を手に入れた”・・・ おそるべき「鍵人」の力とは・・・!?ツバメとチルダ、2人が出会った時、運命は動き始める!! 新世界ファンタジー開幕!!掲載=週刊少年ジャンプ 平成21年33号〜40号
【裏表紙】 ガッピア帝国のチルダ少佐は、デジャニラ議長より脱獄死刑囚「58番」の抹殺の命を受ける。大砂海で遭難してしまった彼女は、サルベージ団の船長・ツバメに救われるが、彼ころチルダの捜す「58番」であった・・・!!
集英社
ジャンプ・コミックス
2009(平成21)年12月9日第1刷発行
定価=400円+税











