日丸屋秀和/ちびさんデイト

ちびさんデイト 1 (バーズコミックスデラックス)
ちびさんデイト 1 (バーズコミックスデラックス)

■ 悩める若き芸術家の話を描く、ほんわかな青春群像劇。

アメリカはマサチューセッツ、ケープ・コッドの南にあるナンタケット島を舞台に描く漫画。なにか懐かしい感じがするのは舞台設定が1960年代ということで服だの景色だのも現代的でないからか。現地の人も当然出てくるが主人公は日本人。独特の絵が評価されパトロンもつき、外国に留学する身分となったが、美術史も技術も知らなかったのでその無知を恥じて筆が鈍り、行き詰まり、しかし理解あるパトロンは息抜きに観光地であるナンタケットで過ごす主人公と似たところを持つ陶芸家の友人の家を紹介したという具合。ただしそんなバックグラウンドは特に紹介されずに物語は始まり進んでいく。


スライス・オブ・ライフのスケッチ。後ろ向きな性格の主人公だが、ホームステイ先の陶芸家は不器用ながらあたたかい人物で、他にも周りには彼とは正反対の性格に見える何事にも積極的で前向きな友人に、彼のことを気にかける女の子もいて、異国の地の生活は故郷と切り離されてしまった寂しさもあるものの考えてみれば恵まれた日々。 絵を描こうとすると萎縮してしまい、デッサン力だの流行のテーマだのに翻弄されていた主人公だが、話が進むにつれ次第に自分が描きたいものを描けるように戻りつつある。


ほわっとした話で内容も絵もぼんやりした感じで、あとがきを読んでようやく作品世界が見えてくるというのは考えものではあるのだが、人物のバックグラウンドなどはしっかり考えられていて、読み通すと作品のほんわかとした雰囲気が魅力的に思えてくる。


【データ】
日丸屋秀和 (ひまるやひでかず)
ちびさんデイト
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■著者の他作品(過去記事)
日丸屋秀和/ヘタリア Axis Powers
【帯】 この島は、神様に一番近い島なんだ 「ヘタリア」の日丸屋秀和、もう一つの世界

【裏表紙】 マサチューセッツ州の南に浮かぶ三日月型の島・ナンタケット。 そこには、長年住み続ける人のことも、ふらりと立ち寄った旅人のことも、 優しく包み込む空気がある。そう、たとえば、夢に傷ついてたどり着いたセージのような青年のことも−。  みずみずしい筆致で描く青春群像劇、待望の第一巻!
掲載=月刊コミックバーズ 2009年4月〜10月号、12月号

幻冬舎コミックス
バーズコミックス デラックス
2009(平成21)年11月24日第1刷発行
定価=800円+税



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