【オススメ】 モリエサトシ/ラブ シック

ラブシック 1 (1) (花とゆめCOMICS)
■ 【オススメ】 出オチな設定の多い最近のこのレーベルとしては 珍しい、仕掛けのある内容。これぞ少女マンガの醍醐味。
金持ちの子息が多く通う学校に編入してきた主人公。 その目的は絶対的な権力をもつ理事長に復讐すること。 成し遂げるために、学校に通っているという亡き父の 患者を探し出す。彼らは、校内でも有名で力も持つ生徒たちだった。
花とゆめコミックスの作品は、このところ、冒頭3ページで設定を説明しきり、それを一話できれいにまとめて、後は出がらし、といっては失礼だが余韻で引っ張るという出オチなものが多い印象で、それはそれで好きだし出来も安定しているしオススメもしているわけだけれども、月間や年間で強く推すかというとそういう感じではなかった。そのなかでこの作品は、というかこの作者は異色のようで、いろいろと仕掛けを用意している。
キャラクターに特徴を付加することは当然どんな話でもあるのだけれど、 それが物語の進行に大きくかかわってくるという作りかたになっている。 主人公の「少年」が実は、という設定は早々にオープンになる。が、そのあとに、主人公に協力することになる4人の生徒たちの病、これを主人公は知っていると脅迫するわけなのだが、実は病があることしか知らない。なので、どんな病なのかは謎のまま進展していく。とはいえ順番に明かされていって、2巻まで謎を持ち越しているのは一人だけなのだけれど。 そして、復讐という本筋もある。実はまったく話は進んでいないのだが、その大きな目的があるために、物語としての力を持っている。
一方、この作品には弱点も。金持ちの子弟が多い学校に主人公はなぜ編入できたのか。まぁ別に金持ちでなくてもよいとしても、その学費は。そして素性を変えているがそんなことが可能なのか。協力者がいるならわかるが、それならなぜその人物は復讐を手伝っている素振りがないのか。そんな主人公を理事長は疑っているが、だったらなぜ入学させたのか。入学早々から素性を調べるくらいに恐れているなら、絶対的な権力を振るえばよく、入学後でもそれはできるように思うのだが。このあたりを納得させてくれるのかどうか、というと、全部が腑に落ちることはなさそうだ。
それでも、その弱点というか欠点を補うだけの、わくわくするような展開があり、面白く読めた作品なので、オススメしてみたい。
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【データ】
モリエサトシ
ラブ シック
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著者の他作品(過去記事)→ モリエサトシ/学校ホテル
【帯】 病を抱えた男が4人。無口で王子様系、 運動神経抜群のハル。美少女顔の小悪魔系・ナツ。 女たらしで6股中のアキ。 アキと双子のフユは、アキの軽薄な 性格を嫌う、冷酷な毒舌家。彼らがひた隠す 病とは・・・?掲載=花とゆめ 平成20年20号〜22号、21年2号〜4号
【裏表紙】 汚名を着せられ、死んだ父親の仇を取る為、 父を陥れた理事長の学園に男として転入した色。 医師だった父の元患者で、学園で人気の男子、ハル・ ナツ・アキ・フユを頼るが、秘密の病を持つという4人は 曲者揃いで!?サスペンティック学園復讐譚、第1巻。
白泉社
花とゆめCOMICS
2009(平成21)年4月25日第1刷発行
定価=400円+税











