【オススメ】 とり・みき/冷食捜査官

冷食捜査官
冷食捜査官 1 (1) (モーニングKC)

■ 【オススメ】 ハードボイルドSFギャグ。という表現でいいのかな、 と思ったら、帯にほぼ同じ言葉が書いてありました。

カッコイイとはこういうことよ。 理系が冴えるギャグ漫画は、 けっして自分から噴出さず、 過剰な説明をすることはない。 元ネタが分かる人向けにコアな 笑いを仕込みつつ、それは 物語のバックグラウンドで展開し、 なにひとつ笑いがわからなくても 話として問題なく成立するように作られている。


ギャグが全くわからないでこれを読むと、 めちゃめちゃシリアスでハードボイルドな漫画に 見えるわけですが・・・。食料統制があり、 合成食品で育った世代の元刑事、いまは厚生省の 捜査官が取り締まる。それは、 過去の世代の遺物であり汚染されたものであるが、味を求めてグルメが大金を出しても 手に、口に、腹に入れようとする、 冷凍食品。


冷凍食品をめぐるカネが裏社会をかけめぐり、取締る側にも税金が使われるさまは、 禁酒法時代の酒、あるいは現代の大麻あたりを規制することへの揶揄に見える。 が、食の安全性が語られる現代では、時代がフィクションに追いついてきてしまい、 単なるギャグではなくホラーにさえなってしまった。ミニマムアクセス米による 事故汚染米問題なんて、国家による国民への犯罪で、普通の国なら国民は 国家転覆はかるような事態なんだろうなぁ・・・食用に使うなといって米をおろすという のがそもそもギャグで、その米なんであるの、なんで仕入れるの、なんで外国から 買わなあかんの、断れんの、断れん理由はなに、米作保護のため?そこまで して保護しなきゃあかんの、自給率あげるために国民はゴミどころか毒食わされるわけ、 ほんでもって元凶に見える米作農家は儲かっていなかったりするとなると、 どこにカネは消えてるの、みたいな、現実が壮大なギャグという状況では、 この漫画の読み方も変わってきちゃうよな。


昔なつかし、問題意識をもったSFの流れを汲む一作。 とり・みき未読者にはオススメ。


さて。とり・みきファンの皆様へは− ネタとしてはまぁいつもどおり。 話を練りきれていないようなものもあるので、物語にも期待すると、 肩透かしを食う作品もあるのは、まぁしょうがない。 冷食捜査官ものでまとめたので、見覚えのある作品がちらちらと載っている。 1991年初出のものが冒頭で、95年までがあらかた、 2002年に一本あって、モーニングには2008年から掲載ということで、 新連載?分は3本のみ。なお掲載は初出順ではなく編集がなされている。 同一シリーズながら掲載は6誌に及ぶ、というのはユニーク。


■続刊購入する?→ 【絶対買う】

【データ】
とり・みき
冷食捜査官 (れいしょくそうさかん)
→ 【 アマゾンで購入 : 冷食捜査官 1 (1) (モーニングKC)
著者の他作品(過去記事)→ とり・みき&唐沢なをき/とりから往復書簡
【帯】 毒餃子、汚染米、有害ミルク 次々に崩れる食の安全!  日本の食卓を揺るがす問題に冷食捜査官が立ち上がる!!  傑作SFハードボイルドギャグ推参!

※この作品は今はまだフィクションです。  時は近未来。安全無害の合成食料の完成により、食料統制が始まった。 それまでの雑菌だらけで汚染された自然食品は製造・飲食が禁止となり、 冷凍食品も所持することすら禁止された。それでも食料統制以前に作られ 地下の貯蔵庫に眠っていた大量の冷凍食品がブラックマーケットで取り引きされている。 巨額の金と血を賭してまで冷食を求める連中は後を絶たない。 法の網をかいくぐり冷食シンジケートが暗躍するなか、 我らが農林水産省・冷食捜査官が立ち上がる!
掲載=モノ・マガジン 1991年5月2・16日号、 週刊漫画サンデー 1992年6月18日増刊号、 コミックトム 1993年3月号、 ヤングマガジンダッシュ No.2、No.3(1993年)No.4、No.5(1994年) No.6(1995年)、COMIC CUE VOL.101(2002年)、モーニング 2008年41号〜43号

講談社
モーニングKC 1756
2008(平成20)年11月21日第1刷発行
定価=619円+税



search this site.

mobile

qrcode

selected entries

categories

profile



チケットぴあ

ENOTECA Online(ワイン通販 エノテカ・オンライン)

others

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM