望月玲子/はなびじん

はなびじん 1 (1) (講談社コミックスキス)
■ 女の子が会社を辞めて花火師を目指す。
主人公はエリートサラリーマンな彼氏がいる女の子。 高校の先輩であこがれていた彼に、告白されて 以来の付き合い。ヒロイン自身も、服飾関係の 会社に勤め、同期トップの評価で、入社二年目にして 海外赴任も打診される。が、彼女は転勤を断る。 彼がいるから−というわけではなく、 ここしばらく気をとられていた花火への思いが募り、 花火師になる、と言い出した。勢いで会社をまず辞め、 なぜか業界事情に詳しい姉からいろいろ助言を受けて、 肩を押される形で突き進む。
入社募集などない業界に飛び込んでいく主人公。 そうはいっても志望者はゼロではなく、 今年7人目の押しかけだという。が、 運と偶然、そして、彼女の真剣な目を社長が認めたために、 素人でしかも女性であるが、弟子入りを許される。
花火師の物語なのだが、そこに入るまでが案外長い。 花火に魅入られた理由をじっくり描いているかというと、 心の動きや、なぜ、という部分は割りに淡白で、 読者からしてみると、なんでそう惹かれるのかが よくわからない。いや、花火が綺麗、と思う気持ちはわかるが、 花火をつくろう、花火師になろう、という決意とそれは 遠いものだろう。
そのあたりが 弱いのだが、ストーリーは気にせずぐんぐん 進んでいく。姉や父が妹に内緒にしている 話が何か絡んでいるのかと思うと、巻末でオープンになり、 なんだ、妹には別段関係ない話じゃないか、となるとこの話は ここで終了?そうなると妹が花火に魅せられた内面的な理由、 血は争えないねぇ、的な決着はないということか。 だとするとやはり動機の弱さは気になる。
一方で、思いついたら実行、とぐんぐん進むヒロインの
無鉄砲な「坊っちゃん」並みの行動力は尊敬に値する。
話は、新人の修行と成長という職業もののおいしいところと、 加えてライバルか恋か、そのあたりも絡めて行くことになるだろう、 著者だけに基本明るいベースで進み、 進行は手馴れたものになるだろうから2巻以降は楽しみ。 とはいえ一巻は、まぁ、こんなもんだろう、という感じで、 回りくどい割りに、何かありそで特にないような話で、 肩透かしくらいまくった印象なので、お勧めとはしていない。 ま、続刊は買うんですけどね。
花火はしかし面白いですね。 東京湾大華火祭とか (→ こんなものを買った。−ムダ遣い日記−: 大華火祭、体験談。)、 神宮外苑花火大会とか (→ こんなものを買った。−ムダ遣い日記−: 【イベント】2005神宮外苑花火大会)行きましたが、 八景島シーパラダイスでやっていた世界の花火大会が一番印象に残ってます。 音楽にあわせて打ち上げ 物語性を必要としたこの大会を見たあとでは 、日本の花火は綺麗だけれど単調だよなぁ という気がします。一発芸でしかなく、 それだともっともっとになるわけで、組み合わせの妙は当然 みな考えてはいるのですが、ありもののなかで満点を目指すという、 なんだろう、十点満点で減点法だった時代の体操と同じで、 点数の上限がない天井のない表現もあるだろうに、 といつも思ってしまう面はあります。でも見に行くんだけどね。 花火への不満はとくになくて、不満があるとすれば 行き帰りの交通の便ですね。東京湾は特にすごいです。 毎年歩いて帰ってますもの、家まで。それもまた楽しみ、 ではあるのかもしれませんが。
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【データ】
望月玲子 (もちづきれいこ)
はなびじん
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著者の他作品(過去記事)→ 奥泉光、望月玲子/鳥類学者のファンタジア
【帯】 “魂が震える”−ってきっとこんな感じのことをいうんだ−!! 業界初!花火師の世界をリアルに描く大型連載漫画、待望の第1巻! 日本の花火は、他に類を見ないほどの高い技術力と芸術性を誇っている。 その花火に恋してしまったOL・絢音は、煙火の世界で生きる決意をするが・・・・・・!?掲載=Kiss 2008年No.12〜15、18、19
【裏表紙】 あたし・・・・・・花火をつくりたい!花火師になりたい−!! 絢音はテキスタイル関係の会社に勤める24歳のOL。 出張先のロスで観たのをきっかけに、花火の虜になってしまった彼女は 「花火師になる!」と決意し、恋人の修一や親友の瑞希にも相談せずに 会社を辞めてしまう。しかし、花火会社への就職は思った以上に厳しくて・・・・・・!?
講談社
講談社コミックスKiss 728巻
2008(平成20)年11月13日第1刷発行
定価=400円+税











