【オススメ】 魚住青時、小林知恵子/トライアルライド

トライアルライド
トライアルライド 1 (1) (アフタヌーンKC)

■ 【強くオススメ】 調教師の厩舎に所属した主人公は、 いまだ勝ち星なし。  今月は凄いマンガ一巻が多い大豊作。 だが、好き度でいえばこれが一番。

デビュー後3ヶ月たったが 未勝利の新人騎手。競馬はいまや上位ジョッキー のみに依頼が偏り、新人には厳しい時代。 だが特に彼が同情されているのは、 その所属する厩舎にあった。調教師は 現役時代、天才と呼ばれた騎手。 しかし新人の面倒をまるで見ていない、 ようにみえた。あのテキじゃあ・・・ と噂されるが、当の主人公は、 人の話を特に聞くでもなく、 人の顔さえろくに覚えていない。

そんな彼に、珍しく師匠が動き、 他厩舎から騎乗依頼をとってくる。 その馬はクセ馬で、騎手を振り落とし カラ馬で走ったこともある未勝利馬。 馬房を整理したいという気持ちが厩舎側にはあり、 周囲は主人公が利用されていると言い、 師匠ももしかすると弟子を厄介払いしたくて こんな騎乗をセッティングしたのではないかと 勘ぐるのだが−

新たに現れた競馬もの。騎手に スポットを当てており、しかも 勝てない騎手という点で、 最近だと「 バロンドリロンド 」、前なら 「 ありゃ馬こりゃ馬 」などがあるか。 ただ両者が勝ちたい気持ちが強く、 一方で技術が未熟、という具合に主人公が 描かれているのに対して、 この作品の場合は、もっと淡白、 というか住む世界、次元が違う。 もっと淡々と、もっとまっすぐ、 浮世離れした透明感がある。 テクニカルな話にもっていく2作に対して、 もっとスピリチュアルな、というと表現がよくないか、 もっとシンプルな、馬とどう接するか、 馬7:人3とすれば当然かもしれない、馬を邪魔しない、 気分よく走らせる、という話を、技術面からではなく、 感情のぶつかりあいとして描いている。 それも、淡白な主人公に淡白な調教師なので、 感情表現はきわめてシンプル、そっけなく、 そこが、暑苦しい作品とならず、クールさを漂わせる。

が、クールだからといって、盛り上がらないかというと、 そうではなく、読んでいるこちらの気持ちは燃えたぎる。 馬は勝ちたいと思っている、走りたいと思っている。 その気持ちを最大限に生かし、走らせる。 そんな能力、そんなタイプが、かつての天才騎手であり、 そして現在の主人公であるらしい。天才が将来の 天才を見る。見守る、といえば表現は優しいが、 そんなものではなく、あるのは、 刀の上での平均台演技のようなものである。 そんな緊張感にあふれている。

新人騎手は大変なのだが、それでも減量特典がある。だから、減量がつくうちに勝ち星を稼げなければ、先は知れている。とはいえ、そんなに勝てない騎手でも中央の場合は生活に困るということはないようだが。

そんななか、今年デビューの新人で、武豊以上のスピードで勝ち鞍を重ねている騎手がいる。三浦皇成ジョッキー。既に50勝をあげており、当然、技術の評価は高い。ハートも良いのだろう。そして、彼に騎乗依頼が集まる事情は、他にもあるようだ。 → 馬券日記 オケラセラ: 平成の源平合戦! 三浦皇成 "アドマイヤには跨らない"

河野通文調教師は今年13勝は全国67位。重賞は2005年のアサクサデンエンによる安田記念(G1)が最近。なんと公式ブログがスタートしていた

札幌の未勝利に出走させるのはモエレロングラン(日曜・札幌5R)。 前走3着と未勝利突破が見えていることもあり、皇成を乗せたかったんですが、 「前回2着だった方(ボーダレスワールド)に乗りたいです」 と断られてしまいまして。
とあるが、結果はボーダレスワールド1着。モレレロングラン3着だった。

なお三浦騎手は51勝で現在リーディング13位。新人は3月からの騎乗なので2ヶ月少ないなかでは立派な成績。6ヶ月で50勝なら年間100勝ペースである。100勝てば年間10位は堅い。ちなみに、2008年にJRA所属となった騎手としては勝ち鞍は2番目。これ以上に勝てる新人がいるのか、といえば、今年は内田博幸騎手がJRAに移籍してきているのだった。72勝は全国5位。2位岩田康誠、4位安藤勝己と地方からの移籍組が上位のなか、若手では松岡正海(8位)、川田将雅(14位)が食い込みつつある。そこに加わる新人が、昨年デビューの浜中俊(12位)であり、三浦皇成(13位)である。こうみると若手でも伸びている騎手はいるじゃないか、と思うわけだが、年に数人デビューするなかで、一年に一人残るかどうか、という状況はやはり甘くはない。なにせ50勝の三浦騎手の一方で、未勝利の新人がいるのだから。

・・・そんなわけで、注目の作品である。


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原作=魚住青時(うおずみせいじ)、漫画=小林知恵子 (こばやしちえこ)
トライアルライド
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【帯】 人間には入れない−競走馬とジョッキーだけが行ける場所。 騎手・未勝利・沢田一己、芝の聖地を駆け抜ける!!

【裏表紙】 沢田一己−今年デビューの新人騎手。 天才・遠野賢三の厩舎に所属するが1勝もあげられず、 「不幸な新人騎手」と陰口をたたかれる日々。 そんな中、遠野がかずみにひとつだけ、 たったひとつだけ教えたこと、それは−信じること。 馬を信じ自分を信じ勝利を信じたその先に遥かなる 「あの場所」が見えてくる!!
掲載=アフタヌーン2008年1月号〜4月号

講談社
アフタヌーンKC 524
2008(平成20)年8月22日第1刷発行
定価=590円+税



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