このマンガ一巻がすごい!2008年06月編
→年間オススメ「2006年のベストセレクション」,「 2007年のベストセレクション」
今月のパワープッシュは、
1.藤田和日郎/月光条例
2.桂明日香/ハニカム
3.佐々木昇平/ガキジャン
4.高橋秀武/トクボウ 朝倉草平
5.神尾葉子/まつりスペシャル
ほか、
一巻完結番外編ですが、
とよ田みのる/FLIP−FLAP
、
谷川史子/草の上 星の下
、
ひらりん/のろい屋しまい
です。
つぐもも 1 (1) (アクションコミックス)
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突然現れたつくも神は少女の姿をとり、彼の部屋に同居する。元々帯なのだから当然なのだが、見た目は押しかけ同棲コメディもの。しかもこの少女は恥じらいもなにもないので、あられもない姿をするというお色気マンガでもある。
明るい騒動が起こりてんやわんや、これに対して土地の神もかかわってくる様子。常識の通用しない人物が日常に割り込んで、主人公たちがかき回されるシチュエーション・コメディ。絵も話もよく整理されていて楽しく読めます。
魔法遣いに大切なこと~夏のソラ~ (1) (角川コミックス・エース 209-1)
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魔法遣いに大切なことシリーズ未読でもすんなり入っていける。魔法遣いという存在がいること以外は基本的に現代と変わらない設定なので、戸惑うことは特に無い。
巻末のエピソード、依頼に結び付けてヒロインの境遇を明らかにして、見開きでコマを切り、そして次の巻へと続く流れの構成は見事。
中の絵は表紙の雰囲気そのまま、どのカットも雰囲気をくずさない。なので、表紙で気に入ったらこれは買って正解。
のろい屋しまい (リュウコミックス) (リュウコミックススペシャル) (リュウコミックススペシャル)
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魔法使いの姉妹が活躍するファンタジー。
「アタゴオル」や「ぼのぼの」あるいは帯で賛辞を寄せている 鶴田謙二 、 西島大介 にも似た空気。ただし両者に比べてクセがなく、より間口は広い。
のんびりゆっくり読みたい本。週末の読書にお勧めです。
FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)
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一巻完結本ですが番外編としてご紹介。見も知らぬ人の出した記録に憧れ恋し、それに近づこうと努力を続け無心になる。無意味なことに熱中することの素晴らしさ。熱さこそが、周囲もまた熱狂に導くのだ。少年は無我の境地に入り、誰も立ったことの無い頂点を目指す。本気で心から楽しむことの素晴らしさ。それを、ストレートに描写している。
ピンボールが題材という珍しさ。クールと関連付けて語られることが多いそれを、熱血、夢中、青春と結びつけたひねり。ゲームセンターと常連たちをひとつのサークルのように明るく楽しい繋がりとして描く。スポーツ漫画でもないのに熱を感じさせるのはユニーク。しかもその熱のまま突っ走るのは、一巻完結という尺のおかげなのだろう。うん、傑作!
百舌谷さん逆上する 1 (1) (アフタヌーンKC)→レビューはこちら
ツンデレ−それは正式名称を「ヨーゼフ・ツンデレ博士型双極性パーソナリティ障害」という。 ツンデレな少年少女、考えてみれば小学生なんてこんなものという二人の恋を、オーバーアクションで描いた一作、ではあるがそれは一面でしかなく。実はこの作品の狂言回しは二人と別なクラスメイト。男子の中でウスノロ扱いされているようなぼおっとしたじゃがいも顔の少年が、ヒロインのツンデレ少女の傍にぴったり。彼に対しては何の感情も起きず、フラットでいられる、つまり恋愛感情のかけらも起きない、素直な自分でいられるから、という理由で下僕にされる少年の存在がこの作品を深く、そして哀しく切ないものにしている。うっかり彼に感情移入してしまうとこの作品はかなり厳しく危険だ。
マスケティア・ルージュ 第1巻 (あすかコミックスDX)
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三銃士たちと行動を共にするヒロインの物語。素性を隠したものが少なくとも二人。その裏には、国の紛争があり、それを引きずる政治的な問題が。王妃は侵略された王国の縁戚者、諸外国からの非難を遠ざけるため結婚相手とされたが、それから十年、王は自分の娘を王妃につけるため、現王妃が邪魔になっているというのが現状。で、そもそも王妃が婚姻相手に選ばれたのは、もともとの王国の幼い公女が死んでしまっているから。そしてその幼い公女というのは・・・
そんな話で、よく出来ている。
明日泥棒 1 (1) (ヤングジャンプコミックス)
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人生をやり直せるものならもう一度会いたい、と思っていた人に再会できたのだが、その人物が現れたのはUFOからで・・・ 世界は不思議でいっぱい、世界をひれ伏させ、世界を変える。そんな、いまどき流行りな内容ではあるが、絵はすばらしく、話は整理されている。で、ちゃんとロジカルな展開にしてくれるんだよね、というところが一番気になるわけですが、まぁ信じて読むしかないでしょう。
一巻は十分楽しい。
草の上星の下 (クイーンズコミックス)
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4編の恋の物語。谷川史子ですもの、オススメ。 いずれも恋の話、うち「結婚」が目前の話題としてある。「サルビア」だけは結婚後の話。表題作と最後の一編はともに、結婚が直近の話題としてあるなか、そこに乗り切れない気持ちがある。表題作と「プリズム」では、付き合いの長さがときめきを失くし家族のような関係で、このままでもいいかな、と思ってしまうという、よくある話。「プリズム」の場合だけ、ヒロインが当事者ではなく、高校生側で、彼女の気持ちと、並行して付き合う二人の話が描かれる。
どれも、恋に悩んだときに、かき乱すようなことが起き、それによって気持ちを再確認するというお話。失恋ものとして描かれている「プリズム」が谷川少女マンガ路線の延長線上、ほかの3編はクイーンズコミックスらしい内容かな、と思う。
月光条例 1 (1) (少年サンデーコミックス)
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何十年かに一度、月の青い光が地上に届く。それによりオカシクなってしまう「おとぎ話」の世界。一人の人間にそれを正す力が託される。世界の童話新約、などと表紙にある「全年齢向け」のお話。童話をベースにしたパロディというのはたとえば「大人のための残酷童話 」なんてのもあったわけだが、単品の童話をいじって終わりがちなパロディ諸作と異なり、この「月光条例」では各作品を繋ぎ合わせてひとつの物語に構成している。創作は過去の作品の上に立つもの。その伝統にのっとり、更にひとつ捻った形で新たな物語を編み出した。おとぎ話の絵本の結末の文章が解けていって物語世界が崩壊していく様など格好いい!
ガキジャン 1 (1) (ヤングマガジンコミックス)
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小学生の毎日はギャグ満開。今月のパワープッシュ! かっとんだ話が多いが、かっとびすぎず、シュールの域にいかず、飛び道具的なギャグでもない。パロディとして片付けず、ストーリーとしてきちんと構築され収束するコメディになっている。ネタは、書き捨てじゃない。
ちょっとしたことを暴走させていく、その勢いがまず素敵。それを日常にきちんと戻していく、その処理の仕方に更に感動。
オトメゴコロ 1 (1) (講談社コミックスフレンド B)
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かわいくなりたいが素直になれない女の子が悪戦苦闘な青春物語。 ヒロインの心はその度に揺れるが、彼に「おまえとつきあったら/たのしーだろーな」」といわれても「やだよあんたなんか」と返してしまうような子。なのだが、この話がよく出来ているのが、そのせりふが出るのが、失意の男の子の頭を抱いて慰めている場面というところ。「やだよあんたなんか」も、いつもの軽い流れで出た言葉に見え、一方頭のなかでは「うわ/バカあたし」と軽く後悔している。でも決定的な場面というわけではない。ないのだけれど、ああ、あのとき、ああしておけば、と後悔する場面にもなっていく。
まつりスペシャル 1 (1) (ジャンプコミックス)
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ヒロインは、現役プロレスラー。弱小団体の覆面レスラーで連戦連敗だけれども・・・。 ヒロインは、スマートな男の子が好き。その男子は、かなり最低な男でよってくる女の子をとっかえひっかえ、面倒になるとふる。一方、転校生はプロレスオタクで、ヒロインの父が現役時代の大ファン、そして今は「姫」のファン。このちぐはぐな三人を、プロレスを軸に動かしていく三角関係。中心にあくまでもプロレスがあるのがポイント。ヒロインの思い人をどう絡めて行くのかと思って読んでいくと、そうか、なるほど。まだ直接プロレスに絡んではこないが、そうやって興味をもたせるわけね。うん、やはり、巧い。
トクボウ朝倉草平 1 (1) (ジャンプコミックスデラックス)
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死にたい、が口癖の警察庁の警視が、行政指導の名目で、害虫駆除に大暴れ! 害を撒き散らし反省しない輩のところへ行き、力づくで反省の弁を引き出す。その際のお仕置きの場面を見れば、この作品の本質がサドマゾだということが明白。ドSな仕置きをする主人公だが、Mの自覚に目覚めたお仕置き相手に言い寄られるという展開もアリ。
一話完結スタイルも、最終話は巻またぎ。さまざまなパターンで読者の興味を持続させている。巧いですね。
ハニカム 1 (1) (電撃コミックス)
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ファミレス舞台のシチュエーション・コメディ。4ページ・ショートの佳作。 ファミレスの4コマだと 高津カリノ/WORKING!! というのがありましたが、そちらは評価を若干逡巡したのに対して、本作「ハニカム」は確実に2巻を買います。
アニマルJOE 1 (1) (ビッグコミックススペシャル)
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オトナのオトコのための娯楽作!突き抜け具合が爽快な、普段から目立つ「只野仁」 。そんなヤリチンエリートの話。・・・そのポジションで年収安すぎやしませんか、と思いますが、そんなもの?外資の投資銀行のヴァイスプレジデントだよ? あ、ボーナス抜きってことか。でもそれは仮の姿なので実はどうでもよいのであった。
ローズ×マリー 1 [ヴァルキリーコミックス] (ヴァルキリーコミックス)
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魔物を狩る姉妹の話。かなり丁寧に世界を作ってあり、読み応えがある。また、このレーベルで身構えてしまうグロテスクさは、いまのところなし。 お色気はもちろんあり。











