島根の弁護士 1 (1) (ヤングジャンプコミックス)
小泉八雲に憧れて島根で弁護士として働くことにした山崎水穂。人の心と法律とのあいだで格闘する、この若きヒロインの日々。
表紙裏や、第一話冒頭などでサービスショット、読み手をひきつけようとする涙ぐましい努力。絵柄は確かにかわいく、そして前向きで明るく健気。そんな主人公を中心にした人情もの。家庭環境を巡る設定も用意されているが、しかし、全てが定番、全てがどこかで見た話。「島根」というご当地ものであるのが新手なので、島根度全開に前面に押し出せばいいのに、次第に島根である必然性が薄れているような。
島根県弁護士会が協力、前会長のエールが帯にもあるので、あまりに現実味に欠けた話にはならないだろう。それが魅力なのかあるいは欠点なのか分からないが。毒にも薬にもならない話。絵が好きならどうぞ、という感じ。
この手の話ならもっと出来の良いものがある。
⇒香川まさひと(かがわまさひと)なおこのひとは映画・ドラマの脚本家。
あおきてつお⇒公式サイト
島根の弁護士 1 (1) (ヤングジャンプコミックス)
掲載=ビジネスジャンプ平成16年11号、16号〜21号
集英社
ヤングジャンプコミックス BJ
2005年1月24日 第1刷発行
定価505円+税